鹿島アントラーズを応援するサッカーコラムです。
今、アントラーズの練習を眺めていて、分かりやすく目をひかれる選手に植田直通選手が挙げられる。

例えば、連続してクロスボールが送り込まれる練習。

植田はブルース・リーやケンシロウばりの素早い動きでボールを跳ね返していく。

ヘッドだけではなく、腰くらいの高さのボールにはアクロバティックに脚でクリア。

さすがテコンドーの選手だっただけはあって、股関節の可動域が広く、身体の操作性に一際優れる。

その動きには惚れ惚れするものがあって、見ていて飽きない。

千本ノックもとい、千本クロスでもやって欲しいくらい(無責任)。

もし彼が秋田さんや大岩コーチ、岩政選手の持っていたノウハウを身に付けることができたなら、

ワールドカップでも劣勢にならない強烈なセンターバックになる。

今週はそのように思った。
本日、アントラーズクラブハウスグランドで行われた鹿島×グルージャ盛岡(J3)。

【雪中大移動】
対戦相手のグルージャ盛岡。

バスが大雪の影響を受け、49時間かけての鹿嶋入り。

本当にグルージャの皆さんには、大変なご苦労の上、来てくださってありがたい。

それだけに、コンディションは明白に重たい様子がうかがえた。

個々の出足、攻守の切り替え、コンパクト性。

いずれも一定値に達していないように見えた。

ただ、鹿島アントラーズとやれるのを楽しみに来てくれたことは、よく伝わってきた。

いいキッカーがいたし、他の選手たちもコンディション不良ながら意気はあったと思っている。

セレーゾ監督がピッピッピッピッ笛で止めることにも、よく付き合ってくださった。

【セレーゾ主審の真骨頂】
アントラーズとしては、正直なところ、相当にやりやすい相手であったのは間違いない。

試合環境にしても、ピッチコンディションが良く、風は穏やか、日差しもあって適度に温かく、力を発揮しやすかった。

45分×2本の普通の練習試合をすれば、高い確率で10点以上差がついてしまう力差+コンディション差。

こういう時、セレーゾ主審は積極的に試合に介入してくる。

同じJ3との練習試合でも、例えば先週のY.S.C.C.では、ほとんどセレーゾは流していた。

アントラーズとY.S.C.C.が拮抗していたからだ。介入せずとも接戦になった。

今回は、そうではなかった。

セレーゾなら開始1分もせずに、見学者でも開始5分もすれば、アントラーズのワンサイド確実と見て取れる立ち上がり。

そう判断するや、「前半から一方的にならないよう」「ワンサイドになって両者の集中力が途切れないよう」、鹿島の流れになりそうな潮目で、絶妙な(いやらしい)タイミングでピピッと止めてくる。

選手に気を抜く暇を与えないためか、鹿島ボールかと思いきや、即座に盛岡ボールにしたり、突如、盛岡にPKを与えたり、

少々やり過ぎという面はあるにせよ、練習試合に負荷をかけることに成功している。

毎回感じるけれども、セレーゾのピッチ内での読みは鋭い。

この人はテクニカルエリアよりも、ピッチの中にいることで一番能力を発揮する。

【テクニシャン、やりやすい】
グルージャ盛岡のプレッシャーがかなり甘かったため、鹿島の中でも技術の高い選手は力を発揮しやすかった。

小笠原のファインミドルは胸がすくような綺麗な軌道であったし、

本山のスルーパス、野沢のヒールリフト。この二人はボール扱いにかけて名人。ひさびさに練習試合の中で名人技を連発してくれた。

中村充孝の、DFをかわしてからのシュート。これは待ちに待った形であるが、2ゴールも見ることができた。

結局、スコアは8-3くらいだったと記憶している(※追記、公式サイトによると7-3)。

鹿島のゴールは一重に個々の能力差。

それに、本山がいる時に野沢らが絡んだパスワークに拠るもの。

本山を抜いたメンバーでの新たな攻撃コンビネーションらしきものは、今のところない。

鹿島の失点はセレーゾが与えた強制PKと、直接フリーキックとセットプレイ。

PK以外の2つは曽ヶ端がいない時で、曽ヶ端の統率があれば防げた性質のものでないかと思わないでもない。

控えゴールキーパーのレベルアップは隠れた懸念材料。

今日については、若さやパワーやスピードが売りの選手より、経験のある選手やテクニックのある選手の方が目立っていた。

前半はダヴィ+若手+青木+曽ヶ端のメンバーで45分。後半はそれ以外のメンバーでなんと65分以上(※追記、あんとランドによると60分)。

後半の45分を過ぎてからは、いつ終わるか分からないという心理状態で、選手の集中力的に、ちょっとつらかったかもしれない。

その時間帯、中田浩二のリーダーシップが印象的。

彼は大部分の時間帯で比較的淡々とプレイしていたのだけれども、最後の最後に味方の集中力が切れてくると見るや、叱咤激励モードに切り替わる。

CBとしては基本的なプレイ以上のものは、ほぼ見受けられないものの、こと統率という点において巧みに勘所を掴んでくる。

…といった具合に、攻守のパワーが要らない試合であれば、79年組は名手揃いであることが改めて確認された。

ポカポカ陽気で名人たちの技術を見られたので、個人的には楽しかった。

戦力分析という観点では、この試合で変化を感じ取ることは、私には難しかった。

まだまだ誰がレギュラーなのか、どのメンバーで最適解なのか、どのメンバーで固めてくるのか、定かではない状況が続いている。

【ホッ!ホッ!?】
で、新外国人のルイス・アルベルトであるが、

意外と運動量とスピードのあるところを見せてくれた。

後半開始直前、両チームの選手たちがピッチに散らばっていく。

そのタイミングで、「トイレ、イキタイ。トイレ、ドコ?」とルイス。

トイレの場所を聞くや否や、これまで見たことのないスピードでトイレに猛ダッシュ。

速攻で用を足して、素晴らしい運動量で戻ってきた。

それには見学者の感心を誘っていた。

こいつ、こんなに速かったのかと。手は洗ったのかと。

肝心のプレイ。

パスを捌くというところで、これまでよりも回数は増えていたと思う。

ショートパスも、対角へのフィードも、まずまず正確。

ただ、どうにも、彼自身のプレイや、コーチングにしても、チームメイトからの信頼が足らない。

ボール要求したところで、パスをもらえない。

ルイスは割と厳しい位置に陣取ってパスを要求しているのだが、彼のフットワークからして、パスが入ったらすぐにボールロストする気配が漂いまくっている。

今のコンディションのままだと、なかなか鹿島のチームメイトはパスを集めてくれないだろう。そのへん、鹿島はシビアなところがある。

守備のポジション修正も、まだ遅い。

だが、前述したように、トイレに行く走りは非常に良かった。

このまま怪我なく練習してもらえれば、攻守に良くなる余地は感じられる。

時々、「ホッ!ホッ!」というフクロウとハトを足して2で割ったような奇声を発しており、周囲の戸惑いを誘っている。

そのモヒカンと相まってヘンテコ外人の地位は確保してきそうな予感はある。

できれば、実力派のヘンテコ外人であることを期待したい。
本日クラブハウスで行われた練習試合。

鹿島アントラーズ×Y.S.C.C.。45分×2本。

レフェリーはセレーゾ監督。

いちいちピッピッと止めながらの試合になるかと思いきや、さほど止めずに流して様子を見ていた。

【難しいポジション、ボランチ】
対戦相手は今季からJ3に参加するY.S.C.C.。

コンパクトに布陣を保ち、律儀に走り守る、J3として好感の持てるチーム。

キャンプ移動直後、オフ明け初日の鹿島より、コンディションが良かったように見えた。

鹿島は、とにもかくにもボランチの二人(梅鉢とルイス・アルベルト)がほとんど機能しないのがつらい。

ビルドアップ時にボランチをボールが経由しない。

守備時はボランチが最終ラインの前でフィルターになれない。

梅鉢はバランス感覚不足と経験の浅さから、攻撃でも守備でもポジション移動が遅れる。

懸命に走り回っているものの、それは右往左往に近い性質のもので、ここぞのところでは遅れて、余ってしまう。

曽ヶ端に怒られ続けて気の毒も、しかし、それも仕方のないパフォーマンス。

一方、新外国人のルイス・アルベルトは、おそらく筋力不足と試合勘のなさから、全てが遅れがち。

サイドに開いたカイオへのフィードは2本ほど精度の高いものがあったけれど、単純な横パスを敵にかっさわられるなど凡ミスも目立つ。

何より、守備時に食いついて簡単に置いていかれてしまうのが苦しい。彼はフィジカルコンディションを上げるという作業の他に、日本のスピードへの適応も要ると思われる。

梅鉢の寄せるパワー、ルイスは声が出ることが素晴らしいが、

この二人は、大目に気長に見た方が良さそうだ。

【強力なバックライン】
前半、ボランチが効かない状況で、最終ラインまで攻められる回数はあった。

それでも、鹿島は失点せず。

まず、GKの曽ヶ端が非常に強力。守備陣を引き締めるコーチングと、一対一の強さが際立つ。

福岡戦では、やや疲れがあるかなと感じられた山村も、このレベルでは鉄壁に近い。

混戦ゴチャついた中での守備機会は多かったものの、ことごとく、最後、サッと足を出しクリアする。ボールを絡め取って、ボールを持てば、意図のあるフィードを前線に送り込む。味方からの苦しいバックパスの処理にも余力がある。

バックラインにいてワクワクさせてくれる希少な選手。リーダーの風格が出始めている。

相方となった植田は、かねてよりのマークを見失う悪癖がかなり改善されてきている。しっかりFWを捕捉して走り戻っている。そのスピードは、文句なく速い。昨年と違って、今年は戦力と想定できるうちに入ってきそうだ。

左右のサイドバックは昌子と西。

昌子は中へ絞り込んだ時の守りに強さがある。アップ時には、なかなかいい左足クロスを上げていた。

西はビルドアップに詰まった時に預けどころになってくれる。間合いを詰められても、涼しい顔でボールを捌いていた。

本当にボランチがいるのかいないのか分からない前半になってしまい、途中で、本山がボランチの位置まで下りてきてボランチのビルドアップ役を引き受けていたくらいだけれども、

曽ヶ端と山村中心のバックラインを見ているだけでも、面白いものがあった。

その時間帯、鹿島の攻撃の選手は、活躍するのが難しかったと思うが、

その中では、ドリブルとターンの技で度々チャンスメイクしたカイオ。

彼は筋力がつくか、プレイ選択の幅が広がれば、J1で戦力になってくれそうな気配がある。

【ボランチの基本】
後半になって、ごっそりメンバーを代えた鹿島。

こちらの方が、名のある選手を揃えたメンバー構成。

例えば、ダブルボランチ。

小笠原と柴崎は、守りでは寄せる相手に着実に寄せる。攻めでは味方のパスしやすいコースに顔を出してやる。

そういった個人基礎戦術が、前半の二人より遥かに正しくやれていた。

こと、ボランチとして守備力に課題のある二人であるが、

鹿島の選手層の中では、その守備についても、小笠原と柴崎がもっとも基本通りにやれている。

それがいいことなのか、悪い事なのか(現在の層が薄いということだから)は別問題であるけれども。

【気配充満】
とりあえず、ボランチが落ち着いたこともあって、ある程度のポゼッションできるようになった鹿島。

ダヴィのゴリゴリ個人能力から、度々シュートチャンスを作るも、決めきれず。

現時点では、それしか有効パターンがないので、

時間経過と共に、Y.S.C.C.も鹿島の攻めパターンに慣れ。

ボランチ周りでビルドアップできても、遠藤が下がると、もうトップと二列目に起点がなくなる。

それに、ベテランの多い後半のメンバー。

プレイ選択正しくミスが少ない一方、ダイナミズムや攻撃意識に欠けるところがあり、

だいぶ早い段階から、0-0で終わりそうだなという気配が漂う。

最後は、しっかり0-0で終了。

オフ明けであるし、これくらいか。

次は週末のPSM水戸戦です。
昨日、クラブハウスグラウンドで行われた練習試合。

対戦相手は国際武道大学。

【強い大学か、そうでない大学か】
この日の国際武道大学。申し訳ないけれども、大学生ということを差し引いても手応えがあんまりだった。

強い大学に来てもらって、万が一負けちゃうと雰囲気良くないにせよ、しかし、プロの練習試合の相手としては少し弱すぎたかもしれない。鹿嶋まで来てくれたこと、選手に怪我させないようにプレイしてくれたことには感謝なんだけれども…。

鹿島がボールを奪いきりにいかなくても、大学生はイージーなコントロールミスと判断ミスでボールロスト。せめて枠内の大チャンスにも大きくシュートミス。

陣形の上では綺麗な守備の並びを作っている時間帯もあったとはいえ、強い大学チームであれば必ず持っている豊富な運動量であるとか速い球際の寄せが見られない。

ただ、そんなの構わず練習効果アップを狙うのがセレーゾ監督。

相手の手応えが落ちるなら、その分、笛の回数を増やして負荷を変えてくる。

ピピッと止めて、大学チームにFKやCKを与える。鹿島があっさり防いでも「もう一回!」と声をかけ、2回、3回セットプレイを与える。大学生が点とるまでやらせるつもりにも見えるくらい。

それでも入らないので、後半には突如ピピッと止めて、大学チームにPK与える。

重要なシチュエーションを繰り返させる狙いと共に、一方的な流れになるのを防ぐ狙いもあったと思う。

ということで、スコアにはあまり意味がない。

セレーゾの練習試合は評価目的でなく、あくまで練習目的になる。

【気になるポイント・柴崎岳】
体調不良で代表辞退した柴崎岳のパフォーマンスは、まずまず通常通り。

スタメン出場し、後半の10分くらいまで出場。

攻守に幅広く動き、メチャクチャ綺麗な対角フィードを蹴り、ゴールも決めた。

若干、痩せた気はするものの、これくらいの負荷の試合であれば問題なくこなせることを示している。

J1の公式戦で、連戦となるとどうなるか。

そこは、まだ分からないので、無茶せず身体と相談しながらやってもらえればと願っている。

【気になるポイント・梅鉢貴秀】
本田拓也移籍により、次世代の守備型ボランチとして期待のかかる梅鉢貴秀。

ちょっと、この日はポジショニングが1メートル程度ズレている、1秒~2秒ほどポジション修正が遅れることが目立ってしまった。

セレーゾ監督も、いつもそうであるように、梅鉢のポジショニングに指導を繰り返していたが…。

例えばの話、指定された位置からスタートして、ヨーイドンでボール取りに行くとか、人に寄せに行くとか、そういったゲームをしたとしたら、梅鉢は鹿島随一に違いない。

走力と気力、球際のねちっこさを持っている珍しい選手だ。

ただ、どうしても、走り出すスタート位置や身体の向きで非効率になっていることが、しばしばある。

なので、ボール狩りができる梅鉢を入れれば守備が安定するかと思いきや、たぶん、そうはならない。梅鉢のコンディションが良くて凄く走れる日であるとか、特定の相手エースを潰す役割なら良いにせよ、現時点では柴崎の方が守備の安定化に貢献できる。

柴崎&小笠原から梅鉢&宮内に代わった後半は、CBの前のフィルターのかかり、カウンターに対する備えが低下していたように思う(※後半は前線にダヴィ&レナチーニョ&ジュニーニョと突貫小僧が並んでいたこともある)。

そして、攻撃でもノッキングまではいかないにしても、梅鉢のところでパス回しのテンポが落ちてしまうので、ちょっと、まだ厳しい。結果、本山が梅鉢の位置にまで頻繁に下りてきてパスを捌く展開に。

まずはサイドバックや途中出場などで経験を増やしてもらえれば。彼にしかない強力な追い回しを、どんな出場機会でも見せて欲しい。

長所を出しまくって経験と自信がついてくれば、他の弱点も消えていくのではないか。

【気になるポイント・岩政大樹】
私個人的な趣味として、岩政大ちゃんには常に注目している。

最近は控え組で植田とCBコンビを組んでいるが、さすが面倒見のいい彼。

どっちもゴリラ系、ゴリラの師弟に見える。岩政の守りの指示については、さすがに含蓄がある。

岩「ナオ、バナナはこう獲るウホ」

植「ウホ」

こんな感じの掛け合いで、昔、新人の頃の内田篤人に厳しい言葉でギャーギャー指示していた頃とは別人のよう。若手の気持ちを尊重した声掛け。植田も大分、慣れてきたように思う。

潰しの強さ、フィジカルコンタクトの強さについては、二人ともさすがはゴリラ出身というプレイを見せている。

それから、控え落ちの一因でもあったと思われる「ビルドアップ意識の低さ」「押し上げの意識の低さ」。

そこも、彼なりの努力、意識改革、プレイ改革が垣間見える。

スペースがあれば、できるだけドリブルで持ち上がって、縦にフィードを出してと、相手が弱いのもあったが、向上する意志が感じられた。たしか、1点目のスタートは岩政のロングフィードが出たところからだったと記憶している。

なかなか、彼の年齢でプレイスタイルを進化させるのは簡単でないと思うのだが、真摯に努力を続けている。植田にも言えるけれども、対戦相手がJ1になった時にどこまでビルドアップに絡めるか、今後の楽しみとしたい。

それから、岩政の調子、トータルでのパフォーマンスについて。

当然、相手が相当に弱かったことは差し引かねばならない。

更に岩政と植田が出場した前半の鹿島は、運動量豊富な豊川がFWを務め、遠藤も柴崎も小笠原もいて、前線と中盤で前から守備がかかっていた。両SBの前野と伊東もガンガン上がって敵を押し込んでいた。

CBが難しい状況で守備する機会がなく、いい意味でいつも通りの岩政だったとしか言えない。ただ、少なくとも不調ということはなく、出場時間中の無失点はちょっとだけ気分がいい。

公式戦に出ずに調子を上げるのは難しいものであるが、大ちゃんがどう戻ってくるのか、バナナでも食べながら見守りたい。
昨日は流通経済大学柏高校との練習試合。

普通の高校との練習試合だったら行かなかったのだけれど、流経柏高ということで見学に行くことにした。

【流経柏高】
高校サッカー界の名物監督、本田監督率いる流経柏。全国きっての強豪校であり、高円宮杯プレミアリーグの常連でもある(※昨季、EASTで3位。鹿島ユースは7位)。

さて、高校トップ級チームが鹿島アントラーズ相手にどれだけやってくれるだろうかと純粋に楽しみだった。

結論から書くと「強い」。

鹿島はスライディング禁止、そして、自主的に強い当たりを控えていたのはあるにせよ、流経柏はパスとドリブルを多用した攻撃サッカーで幾度となくシュートまで持ち込んできた。

1ゴールの他にもポストやバー直撃の場面があり、いい自信をつけて帰ったと思う。

【戦っていいのか悪いのか】
鹿島側のエクスキューズとしては、練習試合の位置づけが難しかったことが挙げられる。

まず、試合というより練習。

鹿島の流れになりかけたところで、主審セレーゾが止めて、いきなりFK練習。

一方的な展開になり練習効果が失われることをセレーゾが許さなかったのだ。

更に象徴的なシーンを一つ。

後半は流経柏のボールポゼッションが上がり、その流れを挽回しようと豊川が猛然とボール奪取にかかる。スライディング。

すると、即座にセレーゾ監督+蘭童通訳から「こっちのチームはスライディング禁止だぞー!」と怒号が飛ぶ。

そりゃそうだ。ルールだし、高校生の身体は守らなければならない。

が、そんなこんなで強く当たれないから、技術と組織力のある流経柏に押される。

すると、「消極的なプレーしてるからだ!」と再び監督(蘭童通訳)から怒号が飛ぶ。

いや、選手にしてみれば、どうすりゃいいっちゅうねんって感じもあるかと思うが、なかなか、力加減が難しい練習試合であったことは違いない。

とにかく、流経柏が高校最強レベルなのは再認識させられた。

【鹿島のメンバー】
一部メンバーは伏せるが、前半は主力含めた土曜日先発外のメンバー。曽ヶ端、小笠原に柴崎、本山や山村らがスタメン。

目立ったのは曽ヶ端のコーチング。いつも以上に冴え渡り、響き渡った。指示は細かく、的確。

佐藤との最大の差は、ここにある。

後半は主力を下げて完全に控えメンバー。土曜日に出たメンバーでも梅鉢や植田は出場。

注目は山村の扱いかもしれない。

主力組の出た前半のバックラインは右から伊東・岩政・山村・中田。

ハーフタイムで主力はゴッソリ下がり、CBは青木と植田に交代。山村はボランチに上がる。

開幕前は厚いと思われていたCBも、そうではないことが判明しつつある以上、山村の出来は気になるところだ。

【山村】
で、山村なんだけれども、昨日も最初はいないのかなと思っていた。

花粉症で私の目がショボショボしてよく見えなかったのが最大の要因だが、一週間以上ぶりに見た印象が変わっていて、判別しきれなかったのだ。

主力組のCB、岩政と誰だろうって。山村だったのだけれども、違って見えた。山村にしては少し痩せてるし、山村にしては動きキレてるし…。

どこかの新戦力が練習参加してるのかなと。背が大きくて、キック上手くて、なかなかいい選手だなあとアップを眺めていた。

要するに、山村のコンディションは少しずつ上がってきている。

守りのパフォーマンスついては、昨日見た限りでも、現状、そこまで堅守の選手ではない。

ポジション修正は隣の岩政と比較して先手を取っている感に乏しい。

昌子や植田とでも守りで大きな優位があるとは言えない(※五輪や前年のJ1経験がある分、先週末の二人ほどには混乱しないとは思う)。

ただ、パスとフィードは抜群に上回っている。それは鹿島のCBとしては、中田を含めても一番であると保証できる。

CB出場時は、とかくミスフィードが少ない。それもリスクを避けているからミスしないのではなく、縦に出せるところはしっかり出しているのに、味方に繋がる率が高い。

パスを受ける味方の状況を考慮したフィードを送り込んでおり、それが可能なだけの技術と視野が彼には備わっている。

先日のFC東京戦で、意図の浅い、味方に蹴ればいいというクリアやフィードが多発したこともあり、余計に貴重。

山村のこの武器は、なんとかチーム力に落とし込みたいところだ。

【川島大地の逆襲なるか?】
後半の控え組は2-1。

鹿島の流れは今ひとつ、一歩間違えれば高校生相手に引き分けか負けるところであったが、川島大地の得点力で2ゴール。

26歳という年齢で戦力構想に入ってこられず、苦しいシーズンを送る川島。

頑張っているとは思う。

足裏の技術を織り交ぜたトリッキーなドリブルで高校生を翻弄する場面もあった。

それに、私個人的には、一時の蘭童通訳に似た感じになっているのが好感。

おかっぱのパーマみたいな髪型で、背格好も近しいので、角度によっては「あれ?蘭童さんが試合出てる?」と錯覚を起こす。

芸達者な彼のことだ。蘭童さんの口マネもきっと得意なハズ。

今後、紅白戦や大学生以上の練習試合でもゴール量産し、是非とも、量産型蘭童さんとしても名を馳せてもらえれば。

本当に似ている気がしたのだ。
練習を見学されるファンの皆様へ』(鹿島アントラーズ公式サイト)

こういったアナウンスは珍しい。

普段は、良く言えば「ファンの良識に任せる」、悪く言えば「ほったらかし傾向」な鹿島アントラーズの管理体制。

個人的にはこのユルい雰囲気で続いて欲しいものであるが、ファンのルール違反について選手側からも苦情が出ていたのかもしれない。

公式サイトだけあってオブラートに包まれているところもあるから、私からもいくつか補足させていただければ。

サイン・握手等は練習後に』の部分。

練習前の選手にファンサービスを求めるのは禁止となる。

理由どうあれ、それで全員の認識と行動が統一されていれば何も問題にならない。

意志統一が崩れてきたところから問題になってしまった。

練習前にファンサを求める一部のファンがいて、それに応じてしまう一部の優しい選手もいて、それを見た他のファンも「自分も、自分も」となり、なし崩し的にルールが緩んでいったところがある。

私は基本的にファンサービスゾーンに近づかないため、最近の事情には疎いのだが、ただ、練習前からファンサゾーンで待つ見学者が増えたことには気づいていた。

その中には「ファンサゾーンならいつでもサイン大丈夫」「昔は練習前禁止だったけれど最近では大丈夫になった」「違反しても注意されない」と誤認していた人もいるはずだ。

なので、今回のようにクラブからアナウンスしてもらえるのはいいこと。

今後はファンもルールを守る。

そして、選手もダメなものはダメとピシャリと断る。

例えば、駐車場から出る選手の車の前に歩み出て停車させ、サインを求めるようなファンもいたことがあった。

私はそういうのは注意したい方なのだが、しかし、車から出てきた選手がそのファンにニコニコ対応していたら注意できなくなってしまう。

まず、ファン・選手・クラブの全員で統一してルールを守りたい。

それと、その分、練習後の所定ゾーンでは選手もできるだけファン対応してもらえれば。

これは性格もあるから仕方ないけれども、素っ気ない選手が多いかなと個人的に感じている(そうでない選手も何人もいるけれども)。

私のようなファンサに興味のない人間ですらそんな印象を持っているのだから、ファンサを求める人なら余計にだろう。

ほとんどの選手には釈迦に説法であるが、一部の選手には「ファンサを求めるファンの有難み」を今一度、認識していただければ。

私など本当にサインにも写真撮影にも選手グッズ類にも興味のないものだから、かえって、こんなに興味なくて申し訳ないような気になることすらある。書道家の書なら欲しいけれど、サッカー選手のサインはいらない。

そんなサポーターばかりだったら選手もつまらないだろう。ヒーロー視されてなんぼなのがプロサッカー選手であり、そのためにはヒーロー扱いしてくれるファンが必要なのだ。

彼女・彼たちはグッズの売上にも大きく貢献してくれる。それが巡り巡って選手の給料にもなる。

ファンにルールを守ってもらうだけでなく、その分、選手たちはファンサービスに心を込めてもらえればなと願う。

そのあたり、ジーコやジョルジーニョの姿を思い出したいところである。
昨日はクラブハウスグラウンドにて明治学院大学との練習試合。

【黙祷】
練習試合開始前、見学者にも「試合前に黙祷しますので、お願いします」と声をかけられ、両チームの選手、スタッフ、見学者全員で黙祷。

平和にサッカーを楽しめる今に改めて感謝。

【格上】
トップチームでも戦力として起用されている二人。本田拓也と遠藤康。

このレベルにおいて彼らのパフォーマンスは群を抜く。

大学生との比較ではもちろん、この日のチームメイト(トップのスタメン組は不出場。若手のみ)とも別格。

深く激しく、かつクリーンにボール奪取し、守備範囲も広い。正確なフィードまで光る本田。

DF二人に寄せられてもボール失わず、一人なら全く余裕。自由自在に配球する遠藤。

本田と遠藤は、さすがにJ1レベルだ。

【大津高コンビ】
豊川雄太と植田直通の大津高出身ルーキーコンビも元気良くアピール。

中川義貴の負傷(早い回復を祈る)により、控え組FWの一番手となっている豊川。

広範囲に幅広く動いてパスを引き出し、シュートも上手い。物怖じせず積極的にプレイしているのがいい。

身体の強さが増せば相当に面白くなりそう。

CB植田も慣れてきたようだ。

ビョーンビョーンとヘディングしまくっている。どんなハイボールにも一番に届いてしまう高さと反応速度は凄い。

マークする相手との間合いも良くなってきており、ミスパスも減少。着実にデビューに近づいていると思わされた。

とはいえ、ファンの側としては「出ていない選手への過大評価」は禁物。

例えば、豊川であればジュニーニョあたり、植田であれば青木あたりとポジションが重なる。

そして、ジュニーニョは練習試合レベルでは別格のプレイをしてきたし、青木も練習試合レベルではノーミスで守ってしまう。

大津高コンビも、いいアピールを続けたい。

【セレーゾ道場】
それにしても、セレーゾ監督+蘭童通訳は熱い。暑苦しい。面倒くさい。

鹿島歴代、他の監督も情熱をもってやってくれていたけれども、控え選手の練習試合にまで熱いのはセレーゾならでは。二軍と大学生の練習試合にここまで熱を入れるプロ指導者、なかなかいない。

主審兼指導者として笛を吹きながらピッチ内を歩き回り、「前寄せろ!前寄せろ!」「ボールに当たっても死なないんだから!」等々、容赦なく激を飛ばす。

ちょっとやそっとの接触ではファウルを取らない。倒れてもやらせる。どんどんやらせる。

プレイを止めた時には、同じ位置からのセットプレイを二、三回連続でやらせる。

このやり方はいいと思う。

大学生と鹿島とのレベル差は大きいので、ただ試合をするだけだと個のレベルアップには繋がりにくい。

それもあって、オリヴェイラやジョルジーニョは大学生との練習試合については軽視しているようにも見えた。

オリヴェイラは最後まで見ないことが多く、ジョルジーニョは練習試合の回数そのものが少なかった。

セレーゾは練習試合の中に自分が入ることによって練習効果アップを狙っている。選手にかかる緊張感や負荷を高めている。

この監督の下で若者たちが伸びてくるのは楽しみだ。
今週末にはホーム開幕戦。

しかし、先週の鳥栖戦の結果内容により、若干、サポーターからの期待値が下がってしまったようにも感じている。

盛り上がるべきホーム開幕戦の前であるので、メンバーや戦術的なことの大半は伏せつつも、紅白戦のレポっぽいものを作り、今後への期待を煽ってみたい。

【控え組ダブルボランチ】
今日は11対11の紅白戦。

前半の主力組メンバー構成は鳥栖戦と変わらず。

グループとしてのパフォーマンスも鳥栖戦とそう変わることがなかったので、特段、書くことはない。

主力組はともかく、控え組の成長が目についた。

例えば、梅鉢貴秀。

彼、面白い選手になりつつある。

グワッとボール奪取し、そのままの勢いで攻撃参加、シュートまで打つ。縦横無尽に動き回る。

梅鉢が動いた後のスペースをカバーするのは実力者である本田拓也。彼によってリスクマネジメントがなされていた。

【主力組のウィークポイント】
ダヴィ、ジュニーニョ、野沢、小笠原、柴崎で構成される主力組は、どうしても前方からの守備圧力が弱い。

対する控え組のCB、山村と昌子はパス出しに長けている。そこに本田らが絡むビルドアップを主力組は止めることができなかった。

ベテラン組からすれば「敵陣では回させていた」とも言えるだろう。

しかし、それにしても成す術がないに等しいほどで、仮に控え組に大迫かダヴィのような起点を作れるFWがいたら、数多くのボールを供給されていたはずだ。

昨季ジョルジーニョ前監督が前から取りにいくのを一切あきらめ、リトリート型守備を選択せざるを得なかったのには人材的な理由があったわけだ。

とはいえ、控え組の後陣は優秀であるものの前線には決め手が無い。

そして、主力組全体として守備と運動量に難があったとしても、前線には大迫という強力な個が君臨している。

苦し紛れでも大迫に預ければ時間を作ってくれる。

【鹿島全体としてFWの層の薄さ】
鹿島のFW陣では大迫・ダヴィと、MFでプレイするジュニーニョ以外にJ1出場経験者がいない。

当然、控え組に一線級FWは存在せず、しかも相手は岩政&青木なので、なかなかボールが収まらなかった。

それに、期待の中村は、まだ京都時代の7割以下のパフォーマンスにしか見えない。

ボールの持ち方からルックアップの仕方まで、素晴らしく上手い選手であることは一目瞭然であるものの、レギュラーを掴むには、もうちょい時間が要りそう。「鹿島での守備」ということに限定すれば、ジュニーニョや遠藤より覚えることは多い。

控え組が攻めきれないうちに、主力組に少ないチャンスを決められてしまう。

そこがベテランの老獪さ、若者の経験の浅さ…と言えるところであるが、しかし、練習場での力差は縮まってきた。

二年前はヒョロヒョロだった若者たちも(昌子だけは最初からゴツかったが)相当に力強くなった。

【切り替え時を計っている?】
紅白戦後半は本田、前野、中村らを控え組から主力組に移す。

影響力が大きかったのは本田のチームチェンジだ。

本田が加わった主力組の中盤守備は引き締まり、逆に本田を失った控え組は守備力低下を免れなかった。

そういったところで、控え組の勢い減退した後半。

現在スタメンにダヴィを融合させているところであるが、本田や前野、中村がその後に入ってくることは間違いなさそう。

セレーゾ監督はしばらくはベテランを引っ張るかとは思うが、あるタイミングで必ず入れ替えるだろう。

その準備は粛々と行われている。

【山村について】
最近あまり話題に上がってこないので、山村についても記述しておく。

二年連続の大きな怪我(一昨年プロ入り前の疲労骨折と昨年の鎖骨骨折)と、そのブランクで失った感覚が戻ってきていないことが、まずあった。

それから、大人しく静かすぎる性質で、アピールでは後手を踏みやすい。

声の小ささもあるが、仕草も小さくて分かりにくい。見ようによっては「こいつ、やる気あんのかな?」という気にもなる。

しかし、ただ大人しいだけの選手でないのはプレイを見れば分かる。

紅白戦前後半通して控え組CBに入った山村。

主力組の波状攻撃中、自陣バイタルで山村ボールを持つ。周りには主力組の選手が群がってくる。

最後方のGK川俣、「ヤマ、後ろ戻せ!」と指示を飛ばす。

しかし、山村、戻さない。

川俣「ヤマ、戻せ!」

山村、寄せられつつもボールコントロール。

そして、取られない。

刹那、スパーンと浮き球の中距離パス。左サイドの味方にピタリと合わせ、控え組攻撃開始。

ピンチだったものが攻撃の起点になったシーンだ。

山村には、これがある。プレスに晒されてもロストせず、内に秘めた強気と、確かな技術で攻撃に繋げてしまう。

【CBの起点力】
もしこれが岩政大ちゃんであれば、GKから「戻せ!」の指示が出る前に戻している。なにせ座右の銘は「簡単に預ける」なのだ。

青木であれば、一度は前に出そうとするものの、アタフタして最後は結局戻す(でも、たまにロングフィードを出せる)。

中田はミスは少ないものの、攻撃に直結するフィードは、近年ほとんど出さない。かつてはシレッとミスする子だったのだが、今では安全第一の堅実中年になっている。

植田のパススピードは速い。そのパススピードで前を向いている敵にパスしちゃうことが意外とある。すると、物凄い足の速さでボールを奪い返しにいくのだが、それは見てる分には面白い。

公式戦なら怖さもある。彼がJ1に出たら出たで面白いが、勝負の面では、公式戦で慣らすというにも少し早い気はする。

昌子は元々上手いCB。山村に劣らぬキックを見せていた。PSM水戸戦ではミスパスが目立ったけれども、たぶん、次は大丈夫なのではないか。

それだけ人材豊富な鹿島CB陣。

しかし、スローな独特のキープから、攻撃のスイッチを入れるパスを出せるのは山村だけ。本当にそこは魅力的。

いいトレーニングを積んで、早いとこポジション争いに絡んでもらいたいものである。
三月に入り、ようやく暖かくなってきた。

鹿嶋の冬は寒く、アントラーズの練習見学の度に「これは修行、これは修行、これは修行…」とブツブツ唱えながら耐え抜いたものだ。

気温5℃を下回る環境で何時間もジッとしているのは、本当に厳しいものがある。

指先の感覚がなくなり、頭も痛くなる。

もちろん、私のような普通の見学者ならば、ガッツリ防寒できるから大丈夫。

選手も高性能素材のトレーニングウェアに身を包み、身体を動かしているから大丈夫だろう。

一番しんどいであろうのは、「プロ記者」か「本気見学者」だと私個人的に思う。

そもそも、寒すぎると思考力や記憶力が低下する。極寒の中では、肉体労働より頭脳労働の方が向いていないものだ。

それから、記録作業の部分。

私であれば、練習見学といっても、カメラもメモ帳も端末機器も持たず、ボヤッと眺めているだけなのだが、プロ記者と本気見学者の方は、必ずと言っていいくらいメモを取っている。

ピッチ脇でジッと寒さに耐え耐え、メモを取っている記者さんや、スマートフォンからツイートしている見学者さんを見ると、それぞれ好きでやっていることだとしても、ちょっぴり感動させられるものがある。

私もブログのネタにするために「ちゃんと見よう」「記録してみよう」と試みることは何度かあったが、いまだに成功した試しがない。

何かとヨソ見したくなるし、いちいち覚えてられないし、メモ取るのは億劫。そもそも分厚い手袋しているのに、道具を出して使うのは大変。

プロ記者や本気見学者の方々が書きあげたレポート記事であるとかツイートの数々。

冬場のクオリティの高いものは、相当なモチベーションと観察力、記録力の上に成り立っている。

…ということで、暖かくなってきて良かったですね、お疲れさまでした、というお話なのでした。
鹿島アントラーズの練習は、基本的なマナーを守りさえすれば誰でも見学することができる。

事前申し込みも、来場時受付も必要ない。

時間が合えばササッと行って帰ってくることのできるものだ。

ピッチ脇には見学用スタンドが設置されており、ごく近い場所から練習を見ることができる。監督や選手の声もよく聞こえる。

一般的に、クラブハウス見学者からの人気練習メニューは「紅白戦」「ミニゲーム」「練習試合」。

大体、その時間に合わせて見学者が増えて、終わると減る。

この傾向は誰が監督でも変わらない。

その逆、不人気練習メニューは「ウォーミングアップ」や「フィジカルトレーニング」になるだろう。

これらを普通に見学していると、たしかに結構つまらない。やっている選手にとっても面白いものではないはずだ。

フィジカルコーチは選手が飽きないよう、工夫を凝らして練習メニューを作っている。

それでも基本は「走る」か「跳ぶ」か。

私は飽きっぽい性格なので、ただ眺めているだけだと一瞬でつまらなくなる。

だから、見方を考える。

例えば「ダッシュして、ジャンプ、そしてまたダッシュ」というトレーニングがあったとする。

選手一斉に行うため、監督&コーチが全員を見ることはできない。

その状況で、想像つくかと思うが、ジャンプの際のパワーの入れ方が選手それぞれ違ってくる。

低く跳ぶ選手、普通に跳ぶ選手、高く跳ぶ選手。

もちろん、選手みんな一生懸命やっているし、人それぞれジャンプ力の違いがある。体力の違いもある。高く跳ばないから悪いということではない。

ただ、「ああ、やっぱりこの選手は練習から手抜きがないな」という選手がいれば記憶に残る。

まるで高卒一年目選手のようにしっかり跳ぶ男。

プロ13年目に入っても力をセーブしない男、青木剛。

青木の名に相応しい、一生青春ぶりだ。
「見間違い」「記憶違い」「集中力欠如」が自慢の練習レポ書いてみる。

正しいものはGELマガ待ちで、小ネタならばアントラーズモバイルで(ステマです)。

【練習開始~アップ】
冷たい小雨が降ったり止んだりの鹿嶋。予定通り15時きっかりに練習開始。

3グループに分かれての鳥かごから、全体ランニング。グラウンド二周。

GK陣は別練習。古川GKコーチの多彩なシュートを曽ヶ端や佐藤、川俣たちがセービングし続ける。濡れたピッチならではのグラウンダーシュートが多用された気がする。

【パスワーク練習】
詳細は書かないが、複数名でポジションチェンジしながらワンタッチでパスを繋いでいく練習。パスを出す前、出した後、足を止めず所定のコースを移動するルール。

ここ数年、三人以上が絡むパス交換が少なくなってしまっている。チーム全体として、パスを受けに顔を覗かせる動きと、パスを出した後の動き直しが不足していた。

そこの改善に、より具体的に着手した形だ。

【3対2】
攻撃3枚をセンターライン付近に、守備2枚+GKをペナルティエリア内に配置。

守備側から攻撃側にロングボールが蹴り込まれたところで攻撃開始。

スタートと同時にDF2枚は一気に前方ダッシュ。攻め込んでくる攻撃側との間合いを詰める。

守備側2枚のセットは岩政-青木といったように、CBやSBの選手の組み合わせ。攻撃側3枚はFWとMFの選手から。

正面からの攻撃がシュートあるいはクリアで終了すると、左右両サイド奥に配置された石井・大岩両コーチから一回ずつクロスが入れられる。次のメンバーに交代。

攻撃側にとっても守備側にとっても、ゴール前での攻防練習。と同時に、監督が選手の底力を見るにはもってこいの練習。

ペナルティエリア内での選手同士のガチ勝負。それを何度も見せてもらえるのだから、見応えとしては満点。

私個人的には、岩政のズバ抜けたコーチング力に好印象。

【1対1】
同じルールのまま、人数のみ変更。攻守1対1+GKに移行。

大迫VS植田など、見どころはあった。

植田について言及すると、通常の空中戦、通常のマーキングは十分にJ1レベル。

一方で、当然のことながら「年代別サッカーで出会えない攻撃強度」への対応力では無防備なところも。

今は開幕スタメンを本気で目指す過程で、どんどん成長していってもらえれば。

【ミニ紅白戦】
11対11のミニゲーム。サイド攻撃の約束事が監督から指示されていたが、ここでは伏せる。メンバーも一部伏せる。

ビブスなし組は、曽ヶ端-西-山村-青木-前野-小笠原-ジュニ-中村ら。

ビブス組は、伊東-岩政-植田-中田-野沢-大迫-ダヴィら。

大迫がいるかいないかの差が大きく、前線にボールが収まるのはビブス組の方。

大迫はワンタッチで味方を使うのも上手く、サイドバックの攻撃をよく引き出していた。

伊東も昨年より成長し、しばしばフリーランニングからボールを呼び込みクロスまで持ち込んでくる。

ビブスなし組では、ジュニと前野の左サイドで威力あるコンビネーション攻撃があった。

二人での崩しから、最後はジュニクロス。前野でもジュニでも高精度クロス供給可能で、どのようにも攻めることができる可能性を示した。

ジュニは他の場面でも「オイオイ!」と何度も大きな声でボールを要求しており、ボールを失わず、クロスも上げきれるので存在感がある。

ミニゲーム最終盤には、ビブスなし組の山村や西の縦フィードが一発で前線の本山らに通るようになる。立て続けに加点。

ビブス組のつまらないミスから連続ゴール決まったところで、セレーゾ監督激怒。

セレーゾ(蘭童通訳)大声で「練習で5点、10点入っても!真剣にやらなければ何の意味もない!」。このタイミングでミニゲーム終了。

岩政や曽ヶ端のコーチングは目立つけど、セレーゾのコーチングは監督というより大ベテランの名キャプテンのようなもの。的確さと情熱が強烈に感じられる。
昨日の午前練習では今シーズン最初のミニゲームが行われた。

始動日からフィジカル測定が続いており、ボールに飢えた選手たち。

まして新監督の目の前での初めてのゲームともなれば、それぞれアピール意欲も強い。

結果的に、珍しいくらい面白いミニゲームを見ることができた。

キャンプ中にもミニゲームや練習試合はあるけれども、疲労した状態でやるために内容は冴えないことが多い。

昨日午前中の見学者はラッキーだったと言える。

【やたら上手い男】
ほとんどの選手が個性を存分にアピールできていたと思うが、一人、やたら上手い男がいた。

ワンタッチ、ツータッチでのボールコントロールが抜群に正確。狭いスペースも苦にせず前方左右にパスを振り分けていく。

パスを出した後のフリーランにも創意工夫がある。死角急所にポジションを変えていく。

明らかに上手い、野沢拓也。

しかし、こんなに上手かったっけか?一瞬、疑ってトレーニングウェアの番号を確認したのだが、35番はつけてないように見えた。

でも、見た目が野沢だし、それに、この種類の上手さを持つのは野沢くらいだろうし…。

それくらい、抜群の上手さだった。

久々だからそう見えたのか、神戸での経験から進歩したのか。

二年前までとは、少し違うのかもしれない。

【意外に動けたダヴィ】
午後のインターバル走ではしんどい様子が否めなかったが…。

一人、途中離脱したのはダヴィだったのか。

鹿島 ダヴィが離脱第1号に…腰の違和感を訴える』(スポニチ)

記事にされると大げさになってしまうけれど、実際には運動不足の身体で走ったところ筋肉が攣りかけたという話だろう。

午前のミニゲームでは思っていたより動けていた。

ボールに触れていたし、いいポストプレイもあったし、ループシュートも決めた。

J2で30点とる選手に相応しい得点嗅覚(ポジショニング、動き方)は垣間見えた。

「ダヴィ、いいよー!」との声もピッチ内には飛んでいた。

鹿島歴代で得点嗅覚のある選手が少ないため、ダヴィの点とれそうな雰囲気は新鮮だ。

【FWは節制が苦手でも】
FWは安定感よりも爆発力が大事なところがあって、太ってオフ明けすることがあっても、多少は許容してあげた方がいいのかなと思う。

ダヴィと、あと一人若手FW(※私個人的に彼の方が気掛かり)がインターバル走についていけない様子がありありと伺えた。

それはキャンプ中に挽回してもらえれば。

彼ら以外の選手はメニューをキッチリこなしており、選手たちが新監督就任に備えて自主トレ頑張ってきたことがよく分かる。

キャンプでの仕上げに大いに期待したい。
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始動後のクラブハウスグラウンド。

右が本山。その左が野沢。

ファンタジスタ二人が揃っている姿は感慨深い。

そして、新井場、興梠、ドゥトラがいなくなったのも感慨深い。

少なくない人が入れ替わったけれども。

トニーニョ・セレーゾ監督も、野沢拓也も、また他の選手たちも。

全員、やる気のみなぎった表情で練習に取り組んでくれている。
昨日はクラブハウスグラウンドで練習試合。

気温が低いだけならまだしも、体感温度を著しく下げる強風が厄介。

そんな日に関わらず、見学者スタンドは満席。立ち見も多数。

いやはや、鹿島アントラーズは愛されている。

【公開無問題】
30分×4本の変則マッチでは交代交代で全員が出場。

主力選手にとっては試合勘調整、若手選手にとってはアピールの場。

ファンに対しては選手の顔見せ、ファンサービスを兼ねた練習試合になった。

言い換えれば、仮にジュビロ磐田(12/15天皇杯4回戦の対戦相手)のスカウティングスタッフに偵察されたとしても、何ら問題のない練習試合だったとも言える。

先発メンバーは柏戦のまんまで30分とちょっと。

その後は順々に全員出場。当然、セットプレイも新たな引き出しを見せることはない。

先週は三日間連続のオフの後、戦術練習少なめ。

再びチームを微調整し直している段階で、天皇杯決勝(2013年元日)でピークになるよう逆算してスケジュールが組まれていることが感じられる。

寒風厳しかったとはいえ、選手全員のプレイを見ることができた。見学者にとって楽しい練習試合になったのではなかろうか。

【いつも通り】
主力選手たちは、まずまず。いつも通り。

敢えて言えば、大迫⇔ドゥトラの連係ラインはそれだけでストロングである。この二人の絡みで2得点で、それが全得点。

とはいえ、ここの連係ラインの強さは今更気づくようなことでもないし。

ならば公式戦に出ていない若手選手たちがどうだったのかと言うと、J1公式戦に出続けている主力選手に比して、彼らの試合経験は紅白戦のみ。

いくら練習を積んでいても、実戦の場数を踏んでいる者ほどの成長は難しい。

それを証明するかのように、若手でも公式戦の出番を増やしている昌子の成長は誰の目にも明らかなほど。

SBとしてもCBとしても、もう大学生相手には余裕。コーチングの声にしても、元々声の出る選手だったが、試合中のムラが小さくなってきた。

彼に左SBとしてナビスコ決勝大舞台でのチャンスを与えたことは、もしかしたらジョルジーニョ監督最大の功績の一つになるのかもしれない。そのチャンスを生かし、継続している昌子も立派。

それから、山村も対外試合復帰を果たしている。

フィジカルコンディション的に大人しいパフォーマンスも、早稲田のハイプレスに慌てないビルドアップセンスは岩政にも青木にもないものを示した。

昌子や山村のように、最終ラインから前に繋ぐ攻撃を考えられる選手が出てきているのは、今後に向けて楽しみになる。

さて、天皇杯で彼らの活躍の場は出てくるだろうか。

昨日の練習試合は、あくまで調整であり、週末ファンサービスのための顔見せみたいなもの。

金曜日までの練習でもっとチーム状態が上がっていくだろう。
今週末と来週末、清水エスパルスとの二連戦。

一つめはリーグ戦。そして二つめはヤマザキナビスコ杯決勝戦。

鹿島アントラーズにとっては、非常にデリケートな時期になる。

そのデリケートな時期をJクラブで最も経験しているのが鹿島。

札幌での大凡戦があったために、多くのサポーターのテンションは下がってしまったかもしれないけれど、クラブハウスでの練習の質、そこでの一つ一つのプレイ強度。

ここに来て高まりを見せている。

【夢を見ていた頃】
今シーズン始めの二月、三月。

当時は新チームへの希望に満ち溢れ、練習も明るかった。

一方で、ある意味、牧歌的なところがあった。

より具体的には、戦術練習や紅白戦での主力&控えチーム双方のプレッシングがユルかった。

公式戦でもそうだったが、とにかくボール奪取位置が一定しない。

狙った通りに奪うのではなく、追い回して振られて、低い位置でやっと拾うといった具合。

それでも私は、プラス思考になりたいサポーター心情から「きっと攻撃側のパス回しがいいから、守備側がボール取れないんだ」と捉えていた。

…が、後の公式戦試合内容と結果からすると違っていたようで、まず、守備がダメ、意志統一がダメだったと今では認めざるを得ない。

【現実を見た後】
現在ではボール奪取にある程度の計算が立つようになっている。

ミニゲームの球際でも「何だかパスが繋がる」から「本番さながらの奪い合い」に切り替わった。

選手個人を見渡せば、シーズン始動時にはいなかったドゥトラとレナトが加わっており、彼らは組織守備の一員として機能しつつある。

本田拓也の復帰は言うまでもなく大きく、若い選手でも数人は自信をつけている。

数ヶ月前まで、大学との練習試合ですら互角~劣勢を演じることもあった鹿島。

控えのレベル低下、そこから生まれる練習レベル低下に危機感を抱いたものだが、シーズン終盤を迎えて全体としてのレベルアップが感じられるのは心強い。

終盤に強いのも鹿島の伝統だ。

【指導の変化】
ジョルジーニョ監督の指導にも少し変化が見られる。

控えチームに指示を出す場面、練習を止めて指導する場面が増えている。

ブラジルと日本の違い、若手の多い選手構成に合わせた指導工夫が見られるのは良い傾向。

個人能力アップと、監督の指導力アップ、それにタイトル戦目前ということで、練習の熱量は高まる一方。

もちろん、清水のゴトビ監督は指導者としてジョルジーニョ監督より経験豊富。

チーム総合力を示すリーグ戦順位も清水が上ということで、楽観はできない。

ただ、せっかくのタイトル戦、期待して待った方が楽しい。その材料はある。

札幌戦の落胆は一旦、収めて、大事な清水との二連戦に向かっていきたい。
今回は弊ブログでは珍しい練習レポらしきもの。

個人的に練習内容を表に書くのは好きではない。

ただ、今のチーム成績では多くのアントーズサポーターが「ちゃんと練習しているのか?」心配して、知りたいところかと思う。今回限りとなるが、その雰囲気を少しでも感じていただければ。

なお、写真は全て遠景撮影のみ使用。選手個人のアップ写真は肖像権やら何やら引っ掛かるので、ご理解いただきたい。

昨日9月27日のクラブハウスグラウンド。練習開始予定時刻は15:00。

幕
選手&スタッフ陣は室内でミーティング。これが一時間近くに及ぶ。誰もいないピッチではサポーターの掲げた幕が風にはためく。『鹿島の戦いを貫け!』

この日の鹿嶋は強風。毎日、幕を掛けては回収する作業は並大抵ではない。上手くはないけれど、その力強い文字からは気持ちが伝わる。これを見て気持ち引き締める選手もいるだろう。

GK練習開始
最初にゴールキーパー陣が登場。フィールドプレイヤーより数十分早くの練習開始。
ちなみに練習での技術では曽ヶ端と佐藤に遜色は見当たらない。

八木の高さ
八木の高さ。ほとんどジャンプせずに悠々バーの上に手が届く。完成度は先輩に劣るが、この高さは楽しみだ。

フィールド登場
練習開始予定時刻から一時間以上経ってフィールドプレイヤー登場。

円陣
全員登場もリハビリ中の中田は不在。同じく離脱中の山村はグラウンド外周を黙々とランニング。

監督主将会談
選手たちがウォーミングアップの鳥かごをする間、小笠原主将とジョルジーニョ監督&コーチの青空会談。10分近くに及ぶ。

ビブス配り
ビブスが配られ、紅白戦準備。

ビブス組ウォーミングアップ
ビブス組(控え組)のウォーミングアップ。前二日の紅白戦では主力組を攻め込んだ。

主力組打ち合わせ
主力組。紅白戦開始直前まで打ち合わせ。ビブス組が打ち合わせなしでボール回ししているのと対照的。システム変更があったため、擦り合わせる事項が多い。

紅白戦スタート
紅白戦開始。中盤メンバー構成3タイプをテスト。

1本目。ボランチに本田と小笠原。二列目はレナトをトップ下に柴崎とドゥトラを左右配置。

2本目。小笠原が外れて本田&柴崎のダブルボランチ。レナト&遠藤&ドゥトラが二列目。

3本目。本田&柴崎は変わらず。二列目はレナト&遠藤&本山。

1トップは大迫。興梠はフィジカルコンディションが落ちてキレがなくなっていたので、そのチョイスやむなし。それでも岩政ら二人に囲まれボール奪われかけても、何度もチャレンジしてマイボールにしてしまう瞬発力には驚くばかり。

スコア的には主力組3-0ほどでの勝利。

1本目、2本目、3本目ともに内容に大差なし。どれかがハマっているとは私は感じなかった。

曽ヶ端からは「ちょっとは寄せろー!」
岩政からは「バランス考えろー!」という怒気を含んだ指導が飛ぶ。

誰がというわけではなく、両チーム攻守の切り替えが遅い。

ただ、最悪だった前二日よりはいいとの声も聞かれた。

大迫あたりは味方守備陣の好プレイに対して「いいよ!」「ナイス!」と前方から声を掛けて士気を高めようとしている。

本田はさすがのプレイ。彼のところで唯一ボール奪取の計算が立つ上に、声も出る。ただ、チーム状態の良くなさを物語るように、曽ヶ端や岩政同様、怒気を発しながらのコーチング。

紅白戦終了
紅白戦終了。選手たちに手応えがあればいいが…。

練習中、監督がプレイを止めて指示することが少ないので(※ミーティングで伝えてあるのと、あとは選手たちで気づいて修正すべきということなのだろう)、紅白戦のお互いのレベルが重要。

ここに中田と山村がいれば、もうちょっと紅白戦のレベルが上がる。彼らが長期離脱しているのは、その意味でも痛い。

クールダウン
クールダウンのストレッチ。

決して実り多い練習だったとは言えないものの、現場では何とかしようともがいている。

少しでも良くなったのが救い。明日の試合日はもっと良くなるかもしれない。

ガンバも決して万全ではない。条件は同等と考えて、ポジティブな緊張感を持って試合に入れれば。

切り替えて応援しよう。
今日の練習試合には鹿島アントラーズが獲得オファーを出している植田直通くん(大津高三年)も先発フル出場。これで二度目の練習参加になる。

悩みに悩んでいるであろう進路決定前(※現在、鹿島の他、横浜FMと川崎の3クラブに絞られたと報道されている)に改めてアントラーズの雰囲気を感じてくれたはずだ。

やはり日本人CB史上でも珍しいくらいの逸材。鹿島サポーターの私としてはアントラーズを選んでくれたら嬉しいなと思う。

185cmの体格にパワーとスピードを兼ね備え、それだけでも大学生やプロに混じって一際目立つ。

更に今日の試合でもあったけれど、テコンドー仕込みの運動能力。顔の高さに上がったボールもバシッと瞬時に足で捉える。一連の動作の速さとしなやかさ、動体視力が素晴らしい。そのため、接近戦でのボールクリアの体勢にも窮屈さがない。

対人における闘争心が強く、ボールテクニックは華麗ではないけれどフィードも良い。

一方で、まだ高校生。

ポジショニングの取り方、身体のアングルの付け方、後退しながらの守り方など、プロに入ってから身につけることも案外多く残している。

凄くいいプレイはするけれど、その直後にポカッと背後に入られワンタッチシュートを決めらてしまうパターンも若いうちは度々起こるだろう(というか、今日もあった)。

J1強豪レベルでの即戦力かと言えば、決してそうではない。

だが、素材としては超一級。

鹿島には今までいなかったタイプで、将来的には、中澤佑二と松田直樹を足して、更に植田オリジナルで進化したような日本代表のスーパーCBになってくれる。鹿島に入るとか入らないとか関係なく、そんな夢を抱かせてくれる。

これは椎本スカウト、是が非でも欲しいはず。

とはいえ、植田くんには悔いの残らぬように決めてもらえればいい。

諸条件考えると私は鹿島がいいと思うのだけれど、本人の心が納得することが一番大事だものね。
日本代表にも選ばれたことのある二人、岩政大樹選手と増田誓志選手。

この大物選手たちのプレイを無料の練習試合で見られるなんて、なんともラッキーなことだ。

【主張の強い男】
大学生との練習試合だと、アピール上は不利でおかしくないんだよね、彼。

まず、大学生FWには特に背の高い選手はいないから、得意のヘッドは勝って当たり前になる。そこで普通に勝っても彼を知る周りの人は驚かない。

それからプロと大学生の力関係から、試合は圧倒的に攻める形になる。味方のポゼッション率が上がれば、CBがボールを持つ機会が増える。

そうなると、足下の技術に優れない岩政大ちゃんが凡庸な選手に見えてしまう、そうなってしまうことは十分あり得る。

でも、凡庸に見えない、見せないのが大ちゃんの強み。

堂々とDFリーダーの位置にいて、臆せずボールを受けて、出来る範囲でキッチリパスを通す。いけそうだったらロングフィードも狙ってみる。

技術的には隣の昌子源の方が遥かに上手いのにね。

昌子ならバックパスも悠々処理して即座に前の味方につけられる。この日の昌子はフィードで目立つことはなかったと思うけど、ボールコントロール一つで相手FWのチェイシングをいなす技量には惚れ惚れする。

大ちゃんにそこまでの技はない。

でも、大ちゃんの方が遥かに目立つ。プロフェッショナルとしての自己演出力が凄いもの。

普通に跳んで勝てそうな空中戦であっても、毎回最高打点で勝つ。大ちゃんのMAXヘッドは本当に美しくて力強い。見る者の脳裏に強く焼き付けられる。「アイツ、スゲーな!」って。

ヘディングという武器をこれでもかとアピールし、かつ、メンタル的な強気。

「自分に厳しく行けーっ!」とチーム全体に大声で気合を入れる。

と思ったら、その直後に自ら凡ミスパス。

見ている方は苦笑するしかない。

でも、そこでショボンとしないし、何食わぬ顔でプレイし続ける。

常人でない図太さ(※本当は大ちゃんは繊細な若者であるけれども。例えば、マウンテンゴリラを都会で飼育したらストレスで死ぬと言われるくらいだから)がプロ選手としての成功の秘訣なのだろう。

【不器用な男】
テクニックにもフィジカルにも優れた万能MFの増田誓志。

彼のカッチョいい姿形、恵まれた体躯はピッチに立っているだけで目を引かれる。

その一方、プレイそのものは無難かつ地味、堅実。

中盤で守備のバランス崩さず、攻撃でもボールの流れ止めず、失わず。

増田のパス&ムーブの技術は高く、大学生相手に低い位置でプレイするには有り余るくらいのもの。余力を残したまま、淡々とショートパスを繋いでいく。

彼の今のポジションはボランチなので、安全正確性を重視し、リスクの高いチャレンジを最小限に抑えてのプレイで問題ない。

一時の最悪期よりか、フィジカルの回復も見て取れる。

ただ、私個人的な心配として「首脳陣へのアピールになったかなぁ…?」ということと「本人、やりきった感がないんじゃないかなぁ…?」というところ。

これがJ1やACLの公式試合であれば、ボランチとしてガマンして、バランス取って、それでチームが勝てれば最高のパフォーマンスであると賞賛できる。

しかし、大学生相手の練習試合でバランサーに徹するのは、アピールという意味でも、本人の充実感という意味でも、少々不安になる。

ボランチの相方が守備型の梅鉢だったのだから、増田はチャンス見極めてもっと攻撃に絡んで良かったのでは…?とか、守備でもガツーンガツーンとボール奪取するシーンがあって良かったのでは…?とか。

そもそも彼のポジションがボランチでいいのか、私の中で今だに答えが出ないし、山形にいた頃の方が充実していたのではないかと余計な心配すらしてしまう。

スパッと分かりやすいアピールに成功してくれたら、スッキリ応援できるのだけど。
昨日、ソシオフェスタ前に行われた練習試合。スコア5-0で鹿島勝利。

【JFL最下位も】
現在JFL(J2の下に位置するリーグ)最下位に沈む栃木ウーヴァ。

栃木ウーヴァというチームは初めて見たのだけれども、わざわざ鹿嶋まで来てくれたとあって試合を大事にする気持ちが伝わってきた。

それは試合を通してコンパクト性を保というという努力に繋がったが、一方で鹿島アントラーズを大きく捉え過ぎ臆病になっていたとも思う。

【技術力ある後陣】
鹿島は自陣でのボール回し余裕。

CBが中田&山村、ボランチに本田と増田。GK佐藤といった足下の技術に優れる選手たちが揃っていたのだから、これはある意味、当然のこと。

後陣は余裕でも、その先。

守備をセットした相手を崩すような攻撃の型があるわけではないので(それはトップチームも同様)、5-0ながら、そのスコアほど鹿島が攻撃を形作ったわけではなかった。

凄く連係を高めるか、土居や増田といった攻撃能力ある選手たちがもっとパフォーマンス上げて起点となり意外性を出すか、そういったところがないと強さが出てこない。

【レベルアップの相手として】
チームを構成する一人一人の個の力というもの。

前回の練習試合相手、栃木FC(J2)ジャイロのような、鹿島の若手を押し込めるレベルの選手が栃木ウーヴァにおらず、彼らは攻撃ポイントを作りようがなかった。

はるばる遠方から来てくれたのに申し訳ないのだけれども、これでは昌子や梅鉢といった若い選手の対人経験プラスになりようがない。

レベル差は完全に2カテゴリの違いがあり、できれば栃木ウーヴァの守備体力がある前半から5-0(実際は前半2-0)に決めたい力差があった。

【通な楽しみ方】
中田や本田ら主力級の試合勘を高め、鈴木や中川といったルーキーに自信をつけさせる(それぞれ1ゴール)効果もあったろうし、意味のある練習試合にはなった。

中田は雨という頭皮に優しくない状況ということもあり、ヘディングを控えていたものの、そのコーチングが戻ってくると心強い。

よく練習試合だと鹿島の攻める方向のゴール側に陣取る見学者は多いけれど、中田や本田、佐藤のコーチングを聞き取れる反対側に陣取るのも、また通な楽しみ方になる。
昨日、アントラーズクラブハウスグラウンドで行われた練習試合。

鹿島と栃木の控えチーム同士の対戦。スコア2-3で栃木勝利。

【J2は強し】
内容は五分五分か、栃木の方が狙い通りにやれていたかと思う。

ジュニーニョもいる「控えの(ほぼ)ベストメンバー」だった前半は2-0で鹿島リード。

後半開始からFWの一角がジュニーニョから佐々木に、GKが佐藤から川俣(だったかな)に代わっただけなんだけど、どうにも点がとれなくなってしまった。

当然のことながら、控えチームの主たる練習試合相手になっている大学生チームと比較して、J2クラブは強い。

栃木FWジャイロとか、荒削りながらも、すんごいバネがあって大学生には絶対いないレベル。

それと、鹿島側でしばらく懸念されている「試合に出ていない選手のフィジカル問題」。

体力アップ練習がユルい上に、自主練習禁止。

今のところ、プラスよりもマイナスの方が多く出ているのかなとも感じられる。

今年は練習試合で負けることが増えているけれども、その時は技術で上回っても、フィジカルと意志統一で対戦相手を下回っている。

とはいえ、練習試合で勝つことが目的ではないし、それで成功とも言えない。

これから控え選手たちが台頭してくれば、今のやり方で問題ないとは言える。

【本田拓也】
本田拓也&増田誓志のダブルボランチでスタートしたものの、ほとんどハマらず。

前半はスコア上リードしていたとはいえ、試合内容は最初から微妙。

前半半ばに左SBスタートの梅鉢貴秀をボランチに、増田を左SBにチェンジしてから鹿島ペースに。

梅鉢が守り、本田が展開するというボランチの役割分担が明確になり、本田にボールが集まり始める。

ここからしばらくの時間帯、本田がボールに触ることによってチャンスが作られた。

試合前のアップから高精度のミドルキックを連発していた本田。

顔はヒゲもじゃで若干汚い彼だが、ストレート系のキックの軌道は綺麗で受け手にも優しい。

本田を経由して前方左右にボールが配球される間、本田が動けている間は鹿島もいい形を作れていた。

前線のジュニーニョ&本山コンビの崩しの力、その高い威力、意外性といったものは相変わらず。

彼ら二人については、もはや言及しまい。そのキャリア、年俸的にも、このレベルならやって当たり前の選手なのだから。

ボランチとしては迷いの見えた増田も、左SBでは強烈に地を這うようなミドルシュートで2点目を決める(※あんとランドでは岡本ゴールになっていたので私の見間違いかもしれない)。

【後半3失点】
突き放せるかと期待したが、そうはならず。

やはり、レギュラー起用されない選手には出られないなりの理由がある…ということだ。

まず、能力の突出している本田、本山らは、ゲーム体力の面。

90分を通しての運動量、スプリント力の不安が再認識された(※ジュニーニョは前半で下がったものの、同じ課題があるだろう)。

神戸戦でのCB出場が予想される青木剛個人のプレイは問題ない。対人、カバー、フィード共に及第点以上。

ただ、彼の年齢と能力からして、リーダーシップであるとかチーム全体への影響力に欠けるのは、正直、寂しい。

最強の歩兵であることを讃えるか、それとも、いつまでも歩兵止まりであることを嘆くのか。人それぞれで評価が分かれることになる。

この日も別メニューだった中田まで含めると人数多く見えるCB。

しかし、ベテラン選手の怪我の多さや成長力まで考慮すれば、スカウトが植田君(大津高三年)獲得に向かっているのも分かる気がする。
昨日はクラブハウスグラウンドで筑波大との練習試合。

スコア8-1で鹿島勝利。

【風間監督退任後の筑波大】
先月で風間監督(現・川崎フロンターレ監督)が退任した筑波大。

風間監督を慕って入部した部員も多いだけに、そのマイナス影響は否めず。

ちょっと、ここまでメンタルエネルギーがダウンした筑波大は久しぶりに見た。

大学やユースの試合を観戦する方には共感していただけることかと思うが、ベンチの監督orコーチの指示ばかり聞こえ、プレイする選手が大人しいチームは、大抵、強さがない。

五月蠅いベンチが悪いのか、消極的な選手が悪いかは別問題として、昨日の筑波大はそんなチーム。

選手が変わっていなくとも、求心力ある指導者を失った悪影響。

ということで、大学生にしてもヌルい部類の練習試合相手になってしまった。

そこは割り引く必要がある。

その上での感想となるが、ポジティブな要素を再確認することができた。

【10番ユニット】
本山雅志とジュニーニョの連携ライン。

鹿島アントラーズの10番と川崎フロンターレの元10番。

このコンビはファンタジックですらある。攻撃技術はMAXレベル、そのイメージもパターンも豊富。

二人でワンツーしたかと思えば、スルーパス、もしくは逆サイドへクロス。両者ドリブル突破可能で、片やジュニーニョは強引なタイミングで、片や本山は意表を突いたタイミングでシュートを打てる。

守る方にしてみれば、何をやってくるか分からない。

トップチームでは独りよがりなドリブルが目立つジュニーニョも、味方がいい動きでフリーになりさえすれば決定的なパスやクロスを通してくれる。

特にゴールライン際までドリブルで突っかけてクロス。ここに本山や岡本が入り込むパターンは強力。

全盛期のジュニであれば単独の仕掛けでも3~4回に1回はブチ抜いたものだが、現在の彼の力を考えると本山とセットにして、近くでプレイさせたい。

それくらい、二人の攻撃が面白い。二人の周りで岡本や土居が絡んで厚みを増す。

【ボランチofボランチ】
とはいえ、本山&ジュニーニョをそのままトップチームにはめ込んだだけで攻撃力が上がるとするのは早計と言われよう。

今季、彼らの交代出場がハマったことは少ない。「切り札にならない」と考える人がいてもおかしくない。

そこで条件を考えたい。

アントラーズの試合終盤、彼らが投入される時、大抵、ボランチからの有効性あるボール供給は止まっている(もちろん、それはボランチだけのせいではない)。二列目三列目からの飛び出しも少ない。

本山を生かすにもジュニーニョを生かすにも、中盤の底から安定的にボールを供給する必要がある。

レベルの落ちる相手とはいえ、8ゴールも積み重ねたのには、本田拓也と増田のダブルボランチの支えがあった。

二人のところでボールを奪って、そこから即座に配球できる。連続的に攻撃できる。

ボランチのところのボール奪取から即展開。これは数年来の懸案。

書くまでもないけれど、本田は本当にボランチらしいボランチ。

ガッツリ人に行ける、スペースを埋められる。その使い分けのバランスがいいし、敵からプレッシャーがかかっても中・長距離のパスを出せる。その軌道は美しく、顔はヒゲもじゃだ。

そして、声で指示を出せる。中堅リーダーとしての資質がある。

ベテラン中田からの指示はよく通っていたが、鹿島の選手構成では中堅で声の出る選手は少なく、本田にはその面での期待もある。

ちと、ボール狩りの完結数(即ち、もう一歩の踏み込み)で物足りなさも残ったものの、去年と今年、怪我しなかった彼がいたらなぁと。

ファーストボランチがしっかりすれば、動きで迷いがちな増田も存分に走り回れるといったもの。

増田個人は好調には見えなかったけれど、右サイド勢いよく駆け上がってのクロスでアシスト。

守備で信頼できる相方がいれば、彼の機動力と攻撃技術が生きてくる。

それが増田でなくとも、小笠原でも柴崎でも本田とならばやりやすいはずだ。

【復活しているし、成長もしている】
昨日の練習試合に関しては、出た選手ほぼ全員、以前より調子が上がっている、もしくは成長しているように感じられた。

怪我人では本田が上述した通りで、中田浩二も元気にフル出場。出遅れていたルーキー中川と宮内も持ち前の強気をピッチで出しつつある。

土居はキッカーとして名乗りを上げるほどのプレイスキック精度を見せ、昌子&青木はヘディングゴール。

佐々木竜太も変わらず決定力以外は素晴らしい働き。梅鉢もJ1出場経験者の自信を漂わせている。

鈴木隆雅&伊東のルーキーSBは攻撃参加では魅せた。GK佐藤もエエ声してる。

しばらく練習にいないアレックス以外は、シーズン前より底上げが進んでいると見ていい。

ポジションを得るチャンス。

控え選手たち自身が一番感じているようだ。
昨日、カシマスタジアムで行われた横河武蔵野FCとの練習試合の雑感。

【調整は進んでいる】
2/25のPSM水戸戦から一週間。

あの試合、ピッチが水たまり状態だったことを差し引いても攻守に連動性が見られなかった。

そこからどれだけ上がっているかに注目された。

結論から書くと、先週よりは上がったと言っていい。

水戸戦での鹿島のチームワークを「10段階評価で3」と評価するなら、昨日の試合前までに「4」、試合中に「5」に上がったとポジティブに捉えたい。

【試合で強くなる】
実戦レベルのチームワークはトレーニングのみでは作れない。

例えば、Jリーグ史上最も「強さと美しさ」を両立したとされている黄金期ジュビロ磐田のNボックス(名波浩を中心とした磐田ver変異3-5-2システム)。

これだって鹿島アントラーズとの真剣勝負によって実戦仕様に鍛え上げられたのだ。

『第3節まではいずれも勝利。しかし、やはり確かな手応えを得ることはできず、名波は試合後のロッカールームで「厳しいな」とチームメイトにこぼした。
ところが迎えた第4節、国立競技場で行われた鹿島アントラーズ戦で、Nボックスは突如として機能し始める。
(中略)
おそらく積年のライバルとの大一番でモチベーションと集中力が最大限に高まり、コンビネーションにもプラスに作用したのだろう。この試合を境に、Nボックスは力強く連動し始める』
(Number798号/細江克弥氏コラムより)

強いチームには必ずといっていいくらい「強くなるキッカケの試合」というものがある。

黄金期磐田は鹿島との死闘を通して「7あるいは8」だった連係力が「9か10」に上がったのだ。

もちろん、それまでのトレーニングの積み重ねがあったからこそ、キッカケがあって花開くわけであるが、ジョルジーニョ新監督の鹿島アントラーズにとっての横河武蔵野戦。

最初の小さなキッカケになったかもしれない。

【序盤はマイナス要素先行】
横河武蔵野FCは好チーム。彼らはよくファイトしたし、規律もあった。誇りや意地がしっかり感じられた。

鹿島視点になると、試合序盤は希望薄いものだった。

攻めではジュニーニョの孤立は前戦から変わらず。

守りではボールの奪いどころが統一しきれておらず、成り行き任せの個人能力任せな守備対応。

強さらしきものが見えないものだと妙に納得したり、また、シュートを決められない興梠選手へのブーイング(大きな失望のため息もブーイングの一種だろう)だけが目立ったりと、そんな立ち上がりだった。

興梠選手へのブーイングについては「このブーイングではチームの足を引っ張ってしまう」と個人的に苦々しく思ったのと同時に、とはいえ、彼があまりに点を取れていないのも一方の事実。

サポーターが支える姿勢を貫くことは尊いが、素直に喜びや怒り、希望や失望を表現することも大事。

興梠選手にしっかり練習してもらって、ゴールを決めてもらうことが一番の解決法になる。

そしたら、皆、ブーイングなどなく喜べる。

【シュートで完結させる者】
アタッキングサードで一番の攻撃パターンを持つのは名手ジュニーニョ。

単独突破からカウンターやキュッと一瞬で反転してのミドルシュートなど、その多彩さでスタンドを湧かせた(彼は数打つ分、外すことも多いから溜息も多いんだけど)。

とにかく、前年までは「打てそうなところでもシュート打たない」「数少ない絶対入りそうなシーンでシュート決められない」鹿島FW陣(田代以外)だったのが、ジュニーニョ一人いるだけで印象が違う。

「シュート意識とシュート能力に自信がある」「シュートコースが空けば多少無理でもシュートする」「そして入らない」「でも打つ」「そのうち入る」。

ジュニ一人いるだけで攻撃をシュートで終わらせられる。

【繋がる連係ライン】
だが、欲しいタイミングでパスが来なければジュニとて、どうしようもない。マルキみたいに自分で奪ってどうこうって選手ではないし。

その、どうしようもなかったのが先週。

それが、この試合の時間経過と共にジュニと味方との連係が少しずつ繋がり始めた。

最初に連係ラインが繋がった(と私には見えた)のは、小笠原満男。

この日、小笠原は小笠原らしさを見せていた。守備ではひさびさに正面からガツッと奪い取るプレイでスカッとさせてくれた。

そして、また、これは毎年そうだが、彼は新加入選手に気を掛けてパスをする。

小笠原とジュニーニョのパス交換。

そして、次に本山が繋がり始める。

高次元の名手たち、その感覚は合うものなのか。

サッカーにおけるユニットの最少単位はトライアングルを形成する3人。

ジュニーニョ、小笠原、本山ほどの達人が繋がれば、それだけで攻撃の体をなしてくる。

【半分程度の連係でも】
攻撃のユニットはおぼろげながら見えてきたが、守備は一朝一夕にはいかない。

鹿島のチームワーク、柏レイソルや名古屋グランパスを上回って優勝するためには「10段階評価で8」くらいは欲しいところだが、今はせいぜい「5」くらい。

もちろん、シーズン立ち上がりは他強豪チームもMAXではこないから、スタートからやれると希望的観測を持っていたい。

他にポジティブになれる要素は練習試合にもあった。

新井場や中田、曽ヶ端は大いに健在。彼らはプレイと声でチームを動かした。

アレックスはジュニーニョとのホットラインを得て上昇の兆しを見せ、増田と青木は持ち前の走力でベテランをサポート。

興梠はシュートやトラップなどは相変わらず残念で、そこは何とかしてもらわなければポジション維持は難しかろうが、ただ、本山やジュニの分まで走り、競り合い、起点になる働きをこなしてくれていた。

山村も負傷から少しずつ調子を戻してきており、ノーファウルで簡単にボールを奪ってしまう能力は地味だがさすがのものがある。ショートパスのリズムも初戦にしては良い。

岡本も「点をとりそう」な動きをし続け、実際にゴールを決めた。

遠藤は、そのパスで攻守の展開を落ち着けた。

一年目、二年目の選手にも出場機会を与えられた。

新井場の匠トラップなど選手各人のプロ技や、本山やジュニーニョらの小さいユニットで崩しであるとか、なかなか見どころのある楽しい練習試合だった。

さて、これらが公式戦でどれほどになるか。

来週のJ開幕を楽しみに待ちたい。

明日はプレシーズンマッチ水戸戦。

その前に注目選手を挙げておこう。

今週の練習からは、チームとしての連動性はさておき、個々人のパフォーマンスという意味で、FWならジュニーニョ、MFなら本山、DFなら新井場に目を引かれた。

【本山のポジショニングと技術】
本山は敵味方入り乱れる密集内(※ミニゲームでは縦横にピッチが圧縮されているので、混雑激しい)でもワンタッチツータッチで悠々と繋いでくれる。

パスを出すだけでなく、パスを出した後、再びパスを受けるためのポジショニングも絶妙。

「DFとDFの間に入る」と言葉で書けば簡単だが、やるのは易しくない。

テレビで見るのと比べて現実のピッチは数倍早回し。テレビは遠目になるから遅く見えるのだ。

「ボール・味方・敵」の位置と動きが見えてイメージできていないと、有利な形でパスを受けられない。

また、周囲を見るためには下に目を落としてボールコントロールする選手では厳しい。

置いて蹴る技術に絶対的な自信があるからこそ、頭を上げて(上げる回数多く)プレイできる。

そういったことをお手本のようにサラッとこなしていく本山。

公式戦になると激しい接触もされてくるから、練習グラウンドのままいくわけではないけれども、彼は達人に違いない。

【シュートの鬼、ジュニーニョ】
中盤で最も巧いと唸らせるのは本山だが、敵ゴールから30メートル内に入れば主役はジュニーニョに変わる。

分かりやすいものとして、まず、シュートの引き出しが多い。そのタイミングも我々の予測より早い。

数日前のミニゲームで見られたプレイ。

敵陣バイタルエリア、ジュニーニョにパスが入る。

「パス入った」とこちらが認知した瞬間、高速反転して、反転が終わるか終わらないかのうちに既にシュート打っているという。これは惜しくもポストを叩く。

別のプレイ。

ボックス内で強引とも思えるシュート。前にブロックがいてもお構いなし…のように見えたが、跳ね返りが再びジュニーニョの前に。

懲りずに強シュート?

と思うか思わないかのうちに、タイミングを外すトゥーキック。これがネットに突き刺さる。

結果的に最初の強シュートが布石となって、次のシュートに守りが反応できなかった。

ジュニーニョのシュート技術と意欲、発想の柔軟性には、見ていて惚れ惚れする。シュートまでの動き出しも、そのゴールへの意志が凄く分かりやすい。

本山や小笠原からパスが出そう…という、その手前の段階には加速してDFの死角に入り込んでいる。そのパスの呼び込みは外から見ていて納得のいくもの。

興梠、大迫だと、シュートに直結する動きの率が低め、動き出しもアピールが弱い傾向がある。

こういったボールを持たない段階でシュートを打つ準備をするということ、昨年一昨年で田代有三(現神戸)が素晴らしい成長を示した部分だが、大迫や興梠、佐々木、岡本らにも期待されるものだ。

【新井場のオーバーラップ】
長くなってきたので端折る。

プレイエリアはジュニーニョや本山とは違えども、動き出しという意味では右サイドバック新井場も絶妙。

彼は「中盤にパスを出してもらう。味方に生かしてもらう」なんて、従属的なサイドバックではない。

「最高の動き出しをしてやるから、はよパス出せや」といった積極性、自信と実力に裏打ちされたものだ。

他の鹿島SBの誰よりもアピールの強い、ここしかないというタイミングで前に出る。

単純なテクニックという意味では、アレックスも西も鈴木隆雅も伊東も、新井場に劣っているということはない。それぞれの武器においては新井場を上回る能力を持っている。

ただ、上下動の判断力、味方からパスを引っぱり出すノウハウ、積極性。

そこは今のところ、他SBと比較できないほど新井場がナンバー1だ。
鹿島アントラーズは今日明日の午前練習(9:00開始)をもって、あとは来週再来週の宮崎キャンプとなる。

宮崎に行ける方は限られているだろうから、今週末クラブハウスに行ける方はぜひ。

駐車場無料、見学無料で生で選手を見るチャンス(よければショップでオフィシャルグッズやPSM水戸戦チケットを買ってあげてね)。

ある程度アントラーズ観察慣れしていることが前提になるが、やはり現場で得られる情報量はハンパない。

監督&コーチの練習メニューと、そのメニューに血を通わせる通訳やスタッフ陣の働き。20人以上の選手たちの様子。

例えば、どんなに「若手選手たちのモチベーションが高まっている」とメディアが伝えてくれても、自分の目で見ないことには確信できないもの。

私なんかも他人の話は信じない方だから、チーム始動前は「そりゃ若手だってヤル気はあるだろうさ」くらいに思っていた。

でも、実際に見たら「あ、このこと書いてたのか」と確信できた。遠藤や佐々木も去年より期待していいのかなと、私は感じた。

他にもヘタッピの印象の強い岩政選手だって、プロ選手っぽくボールリフティングできたりとか、そういったものを見るのも楽しい。

「失敗しろ~…、ボール落とせ~…派手に失敗しろ~…」と根気よく念を送ってみても、案外、落としてくれないのね。残念。

なお、駐車場は土日だとフットサルコート側の駐車場を最初から目指した方がいい。クラブハウス側のは満車だろうから。

行かれる方は上記リンク先をチェックして調べてから行ってくださいね。
昨夜に続いて練習レポらしきもの。

【密集地帯】
宮崎キャンプ前ながら、既にミニゲーム練習も始まっている。

ポイントは、そのコートの取り方だろう。

ハーフコートで、そこから更に横幅を縮めてある。

狭いコートであるが、ジョルジーニョ監督(高井通訳)からは「広く使え!」の指示が飛ぶ。

人が入り乱れる密集状況の中でどれだけ速く正確に判断し、技術を発揮できるか。

トレーニングであると同時に選手能力の見極めが行われているように思われる。

【高速切り替え】
このミニゲームでは「ボールがラインを越えた場合」「どちらかがゴールを決めた場合」でもプレイが止まらない。止めてもらえない。間髪入れずボールが入れられ、後方から攻撃再スタート。

攻守は切り替わり、気持ちを切る暇もない。

オリヴェイラ監督以来の「高速切り替え」は今後も強く、改めて意識付けされていきそうだ。

【攻めきる】
もう一つは、このコートの狭さだと「後ろでチンタラ回す余裕がない」ことが挙げられる。

DFライン(と言えるほどのものでもないが)にも奪いに来られるから。

後ろでのゆったりしたボール回しは鹿島の伝統であるが、ただ、ここ数年は「遅い」「攻めきれない」「チンタラ」方向に傾いていたのも一方の事実。

大野俊三さんも書いていたように、ジョルジーニョ監督は「縦へのスピード」を上げる指導をしてくると思うし、それはミニゲームにも表れているようにも見える。

【選手たちは、まだこれから】
動きの速いミニゲームということで余計にそうなるのだけれど、まだ選手たちのプレイ感覚、心身の一致はこれから。

単純にプレイのアイディアという点だけを見るならば、小笠原やジュニーニョは「決める型を持った選手」だと分かる。

相手DFを引き寄せて、守りの心理的裏を突く決断に自信を持ってるもの。ただ、キックのフィーリングはまだズレ気味。

新加入岡本も前線で面白い気配を醸し出す。

結構、興梠や大迫に比べると、バイタルでうまく間に入り込むのが上手い選手なのかもしれない。「あ、そこでフリーになってるんだ」と違和感のようなものを感じることがあった。

それと、これは今更だが興梠の「ギュイン」ターン。あれは近くで見れば見るほど凄い反転力。スタジアムやテレビで見るより、練習グラウンド間近で見た方が彼の凄さは分かる。髪の毛もサッパリ短くしたし、あとはゴール数を増やすだけだ。

【声を出すのは】
最後に付け加えると岩政大ちゃんの「声」。

GKがいないゲーム(GK陣は古川コーチと専門トレーニング)だけに、そこで積極的にコーチングできる岩政は、この中では外せない選手になってくる。

声の部分では中堅軸を担っていく増田や青木にも、また、その能力がありそうな本田にも期待したいところだ。
昨日までの体力測定は終わり、今日からは競争要素を取り入れたフィジカル・トレーニング&ボール・トレーニングのスタート。

いつもは面倒くさいのと、あとはバラさない方が良かろうということで練習内容は書かないのだが、新体制だし、知りたい方も多いだろうし、ここ数日ブログサボってたし、たまには書かせてもらってもいいよね…という独り言。

【時間厳守】
まずは練習開始時間。これが今のところキッチリ守られている。

もちろん、オリヴェイラ監督時代にルーズだったというわけではないのだが、新体制になってから「選手たちがグラウンドに出てくる時間」が予定表通りになった。

以前は室内でのミーティングが長引き、9:00練習開始と告知されていれば、選手たちが出てくるのは確実にそれより遅かったものだ。それが悪いというわけではなくて、そういうものだった。

30分前集合など慣れるまで選手は大変かもだが、見学者としては正直なところ助かる。

【ジョルジーニョ監督は身体動かす】
今日あたりは寒い上に風も強くて、「サームーイー」と日本語でボヤき笑いを誘っていたジョルジーニョ監督。

フィジカル中心のメニューはコーチ陣が中心、監督は見ている方だったが、しかし、暇があれば身体を動かす。

ストレッチしたり、選手たちと一緒に走ったり。

ご老体だったオリヴェイラ監督との大きな違い、若い監督ならではと言えよう。

【午前フィジカル】
午前中のメイン練習メニューは「4色ビブス分けダッシュストップ繰り返し」。

めんどいので細かい説明は省くが、要は「走って止まる」を十数回繰り返し心肺に負担をかけるキツい練習。

4組にビブス分け(グループごとにまとまって走る。全組同時スタート)されてのグラウンド周回で、「どのグループが速いか」「グループの中で誰が速いか」が分かりやすいようになっていた。

競争意識によってトレーニング効果を上げると同時に、サッカーに必要な走力や気力、現時点でのフィジカルコンディションをそれとなく把握する意味合いもあろう。

【速いのは】
練習での速さに大した意味はなかろうが、一応参考までに。

新卒入団組はいなかった(講習会だったか)中で圧倒的に速かったのは梅鉢。

一人だけスタミナが段違い、短時間回復力が別格で余裕しゃくしゃく。こりゃ、新井場が個人自主トレに彼を連れていかなかったのも分かる(※体力が違いすぎて、練習パートナーとして不適格だったのかも。真相は不明もエピソードはGELマガ参照)というレベル。

次に柴崎。黙々とグループ内の1位~2位をキープ。

あとは佐々木や青木あたり。GKでは佐藤(※他にも速い選手はいたので、記憶から出てきたら追加する)。

鈍足と思われがちでも、引っ張らなきゃの気持ちで前目を走っていたのが遠藤や岩政大ちゃん。

遠藤は例年より体調整えてきた気がする。

また、中堅~ベテラン陣はにセーブ気味なところが見える中(単純に走力遅めなのかも)、大ちゃんの遅いなりに先頭に立って引っ張ろうとする姿勢は素晴らしい。

で、当たり前っちゃ当たり前だけど、79年組は基本後方遅れ気味。ジュニーニョも後ろ。

心肺負担系はベテランにはキツい。コーチたちが上手にフォローしていたけれども。

ただ、走ることも試合では必要な能力。

ベテランを生かすためにも、走れる若手の台頭が望まれる。そんな感が早くもバッチリ出ていた。

※後で文章追加と直します。とりあえずのメモ。
昨日は水戸との練習試合。

スコアは0-2敗戦。

2失点は後半にユース選手を多く出してからのもので、「正サテライト(?)」同士の前半45分はスコアレスドロー。

練習試合内容については、よくある「本山がいない時の鹿島」状態。

それで伝わるだろうから、言及するまでもあるまい。

選手個々。

さすがに、この時期の練習試合で劇的な発見は見当たらない。

「この選手がトップで使われないのはおかしい!」ということが起こらなくなってくる。

これまでと変わらなかったり、あるいは動きがキレてなかったり。

3月~4月と比べて、11月~12月は、そういう傾向があるかな。

敢えてプラス要素を探せば、岩政大ちゃんの復帰か。

この日は「怪我明けの自分が出来るプレイ」を確認しながらの試運転発進。

それでも、存在感はさすが。

味方コーナーキック時の落下点の奪い合い。

例えるなら、四角い檻に閉じ込められたゴリラ。

そこに釣り竿に吊るしてバナナを差し入れる。

激しくユラユラ揺れるバナナを、全頭脳全神経をフル稼働させて掴みかかるような、巧みな動き。

ヘディングまでの職人芸ともいえる予備動作。

あれだけでも見る価値はある。

岩政、闘莉王、イ・ジョンスの3人、そこは本当に凄い。

彼らに比べると、昌子源はまだ点を取れる動きをしてないなとは思う。

コーチングについても、「声の出ている時間帯」と「ピタリと止まってしまう時間帯」がハッキリ分かれてしまうあたりが、まだ若いかなあ。

もっともっとアピール、積極性、思いきりが欲しいところだ。

結構、彼は優しく空気読める子みたいで、しかし、大ちゃんみたいな空気読めないところもプロには必要だと思う。

あとは違いを示すのは新井場徹。

駆け上がる彼の欲しがるタイミング、欲しがる位置にパスを出してやれれば、そこは決定的になりそう…。

も、結局、ほとんどのケースで味方から出てこない。

ボランチからの球出しが遅かったり、出す位置が後ろだったり。

加速した新井場が急ブレーキかけて後ろに戻り、ジェスチャーや声で「もっと前に出してくれ」「前や」と再三再四。

柴崎、梅鉢のルーキーボランチコンビ。まだSBの攻撃を引き出す働きは不十分。

たしかに新井場の要求する位置に通すのは簡単ではない。

見えていないといけないし、通す技術も要る。

横につけるだけなら、ミスせず済むから安全だ。そして、ミスしないことも大事だ。

でも、練習から、できるだけ高い位置に展開しようと意識してやらないと、本番でもできなくなる。

無難な繋ぎだけのボランチになってしまう。

SB出場時は鋭い攻撃を見せる柴崎も、ボランチとしての攻撃展開には、今のところ不足を否めない。

「生かされる側のSB」とは違う、「味方を攻め生かすパス」を期待したい。

また、逆に梅鉢は無理に縦に入れてカウンター招いちゃうという。

瞬間、新井場の「バチィィ(怒)!」が笑えたが(怒りながらダッシュで戻っていった)。

そのあたり、挑戦したり、失敗から学んだり。

今は、まだ失敗の多い梅鉢がどう変わってくるかも楽しみだ。

先輩に指摘してもらえるキャラ、それで落ち込まないキャラというのは、なかなか貴重だからね。
クラブハウス練習見学のマナーについて。

ここ一年ほどで記憶に残っている出来事ことを例に挙げ、今日と明日で書いていきたい。

【人格障害らしき男、現る】
こういうことがあった。

ある日のアントラーズクラブハウスグラウンド。

ひたすら、とある選手のことを口汚く罵る男性見学者が一人いた。

その選手がボールを持つ度に「なにやってんだよ!」「やる気ねぇのか!」「ったく、ふざけんなよ!」「やめちまえよ!」といちいちキレ気味。

別に、選手が悪いプレイしてるわけでもないんだが…。

その男、おそらく人格障害を抱えているか、あるいは、その境界にいるのだろう。

抑えきれないかのように放たれる口撃は、さすがに度が過ぎていた。滅多にないレベル。

人格障害男が罵声を上げる度に周囲の見学者も静まり返る。

【軍事会議招集】
うーん、イカンな、これ。

少し遠いのが不幸中の幸いも、万が一、選手に聞こえたら練習の邪魔だし。

面倒くせーけどガツンと注意するか…。

それとも一本背負いで見学席の下に放り投げるか…。

あるいは、そいつを真っ正面から動画撮影して、一部始終をブログにアップしてやるか…。

しかし、放り投げたら「クラハ内で暴力事件」とかになって迷惑かけそうだしなぁ。

撮影しようにも、カメラ持ってきてないし。

とりあえず、最初は口頭で注意、流れによっては武力行使といこう。

よし、それで決定。

【女は強し。だがミーハーはもっと強し】
私の脳内軍事会議は終了。

座ったまま、さりげなく肩と腰の準備運動開始。

さて、次、何か口走りやがったら、お前の命は終わるぞ。

…。

ところがだ。

私の前に行動に出たせっかちさんがいた。

女だ。

若い女。

人格障害男の前列、背中を向けて座っていた彼女。

突如、勢いよく立ち上がるとカバンから何かを取り出した。

赤いものだ。

ユニフォーム?

あれ?

○○(男が罵っていた選手)のレプリカユニフォームだ。

直筆のサインも書いてある。

彼女、取り出したユニを広げて自分の背中にかけてみせた。

ガバッと勢いよく。

背番号と選手名が男の視界に正面から入るように。

そして、座る。

障害男、黙り込む。

黙り込む。

彼、その後の見学中、ずーっと黙り込んだままだった。

いやはや、こういう黙らせ方もあるもんだなと感心した。

どうにも自分だと、やっつけてやろうという方向になって、良くない。

彼女、大好きな選手を悪く言われて、聞いてられなかったんだろう。

まさに女の意地、本物のミーハーファンの意地。

その背中越しの気迫は、私にも伝わってきた。

往年のジョルジーニョに匹敵するオーラ。

それが障害男を黙らせたのだろう。

ミーハー魂、侮れん。

【選手を罵ることは、応援している人をも傷つけることになる】
こんな話を持ち出すまでもなく、選手を罵る、それも常識を逸脱するレベルで悪く言うことは、その選手を応援する誰かまで傷つけることになる。

読者さん方には釈迦に説法だが、私自身への自戒を込めて。

やはり、人に向かって「ハゲかけている」とか「ゴリラ男」とか「アゴがしゃくれてる」とか罵ってはいけないのだ。

どうしようもないところを批判されたら、いくら精神的にタフな選手たちだって傷つくだろう。ご家族やファンも心を痛めるに違いない。

短所を罵るのではなく、ポジティブに応援し、長所を探してあげたいものだ。

例え短所であっても、捉え方次第で長所に変わる。

「頭皮の通気性が良さそう」「ゴリラは動物園の人気者」「アゴの形が前衛芸術的で素敵ね」と。

ほら、長所しかない最高に魅力的な選手たちじゃないか。

他人も世界も、自分のスタンス次第でいくらでも素晴らしくなるというものだ。
週末に試合がなくて、鹿島養分不足中の読者さんも多かろうし、速報性重視でサクッと。

今日はクラブハウスで練習試合。対戦相手は国際武道大学。

鹿島アントラーズは前半はレギュラーチーム。2、3のポジションを除いてベストメンバー。

後半は若手主体のサブチーム。

いやはや、レギュラーチームの試合を、ソシオ席より近い席でタダで見られてお得、お得。

と思いきや。

面白かったのはハーフタイムを挟んでの後半、サブチームが出てからだった。

「若手がスゲー!」ってわけじゃない。

いや、若手でも土居聖真あたりは「やっぱ彼は近年の鹿島ユース入団組で一番イイかも」な技術とスピードを披露してくれたけれども、その若手たちを生かしていたのはアタッキングサードで攻撃を操る本山雅志。

圧倒的にポゼッションしてもゴールへの気配少なかった前半(※個人能力と相手のミスで点は入ったにせよ)、敵陣向こう30メートルでの手詰まり感は相変わらず半端ない。

いくら個々の能力はあっても、明確にゴールへの絵を描き、味方の個性を集束させるようなプレイヤーが一人もいなかったのだ。

ある程度元気な状態の本山が入れば、周囲全てのピースが前を向いて動き出す。

私は特定の選手に肩入れすることを嫌うが、しかし、練習試合すら面白くしてしまった本山は、やはり凄いと言わざるを得ない。

と同時に三連覇は「マルキーニョス頼み」でなかったのだと改めて再認識。

「全盛期のマルキーニョス&全盛期の本山&全盛期の小笠原」でセンターライン固めて、その他の選手も充実していたからこそ強かったのだと。

ボケッとニュートラルに練習試合を眺めているだけでも、本山と同等以上にセンスあるオフェンシブハーフは他に一人もいないとすぐ分かる。

フィジカルコンディション次第とはいえ、今シーズン残りも彼なら楽しませてくれそうだ。

また、本山の後継者、ナンバー10を背負える器の選手を探していくこともアントラーズサポーターの楽しみになるだろう。
鹿島アントラーズの控え主体チームは流通経済大学との練習試合。

最近、あまり好調とは言えない流経相手ながら、6-0圧勝(※山村くんは長期離脱中につき欠場。実質一軍未満のメンバー構成)。

ヤマザキナビスコカップ決勝に向けてベンチ組も健在をアピールした。

格の違いを示したのは興梠慎三。

大迫&田代にスタメンの座を奪われている状況だが、こういう時には本気度が違う。

その機動力とアジリティで前線をかき回し、ポイントを作り、豪快なシュートを決める。

彼、ずっと本気の本気でサッカーに集中してりゃ、凄い選手になっただろうと改めて思う。

とはいえ、私自身も努力家でない(夏休みの宿題とかテスト勉強もやらないタイプだった)から、あんまり興梠選手のことは言えないけども。

他では、フィジカルコンディションを差し引きさえすれば本山雅志とフェリペ・ガブリエル。

この二人については、鹿島の二列目の中で「人とボールを動かす」戦術遂行能力が高く、それは昨日の練習試合の中でも垣間見えた。

サッカーでは「観戦初心者に分かりやすい活躍は少なくとも、いるとチームが強くなる選手(※例えば、ガンバ大阪の橋本英郎のような)が必要」というけれども、鹿島では本山やフェリペが相当する。

ただ、とにかく、今の二人はフィジカルコンディションから来る、パワー、持久力などが一通り不足しがちで(もともと得意でない部分が更に弱くなっている状態)、そこが惜しまれる。フェリペは試合勘が戻ってない感じだし。

週末の決勝までに、どこまで上げてくれるか。

好調でさえあれば、少なくともチームにもプラスをもたらしてくれる選手たちに違いない。

理想的には「野沢のキック」と「遠藤のキープ力」に「本山の戦術眼」と「フェリペの幅広いサポート力」を全部兼ね備えた選手がいればいいんだけど、そんな選手がいたら欧州でもトップレベル。鹿島アントラーズじゃ給料払いきれないし、引き留めておくべきでもない。

長所と短所が多い選手たちであることを認め、受け入れ、応援していくしかないし、そうしていきたいものだ。