鹿島アントラーズを応援するサッカーコラムです。
明日19:00キックオフ予定のスルガ銀行チャンピオンシップ。

対ウニベルシダ・デ・チリ戦。

【南米クラブのタイトル意欲】
最大の注目ポイントは、チリの強豪たる対戦相手がガチで準備してきてくれたこと。

チリといえば、南米の中でも組織的なサッカーを展開できる国柄で、また南米に相応しい確かな技術もある。

カップ戦を獲ってスルガ銀行杯に出場してくるわけだが、事前にキャンプを張ってきており、来日スケジュールにも余裕を持たせている。

もしかしたら、日本のサッカーファンには「スルガ銀行杯はオマケ」「日程上の罰ゲーム」とネガティブに捉える向きもあるのかもしれないけれど、基本、南米クラブはどんな国際タイトルに対しても貪欲。

五輪への取り組みを見ても、ブラジルやアルゼンチンは豪華メンバーで代表チームを編成し、欧州や日本は実質1.5軍程度でメンバー構成している。

その良し悪しは別の話題として、とにかく日本人が想像する以上に、ウニベルシダ・デ・チリは本気だと思われる。

【内弁慶か、国際基準クラブか】
対する鹿島アントラーズ。

もしアントラーズが日本国内での活躍のみを目標とするクラブなのであれば、スルガ銀行杯は主力メンバーを落とすべきである。直後にリーグ戦が控えている。

逆に、世界基準のクラブを目指すのであれば、ここも獲らねばならず、ベストメンバーを組む必要がある。

スルガ銀行杯に全力で臨んだ上で、リーグ戦も戦っていく。それくらいできないようでは、クラブとしての器の限界が見えてくる。

もちろん、鹿島は勝ちに行くだろう。

ジーコ以来の「獲れるタイトルは全て獲りに行く」伝統に加えて、そもそも、スルガ銀行杯とJリーグを両立するだけの戦力を備えてきたはずだ。

本田拓也が復帰していないこと、増田が出番を失っていることはシーズン前には想定外だったが、プラスの想定外として大迫がチームに残っている。

決してビッグタイトルというわけではない。

だが、またとない国際タイトル獲得のチャンスであり、近い将来のACL制覇への糧ともなる。

ホームゲームのみの一発勝負ゆえ国際試合としての難易度は下がるけれど、それでも南米のタイトルホルダーが本気で来てくれるのは大きい。

特に現在の若手、西や遠藤、柴崎あたり。彼らはプロ入り後の国際経験に欠ける。

中堅・ベテラン選手たちも、代表から遠ざかって時間が経つ。

勝ってタイトル数を増やすだけでなく、経験値を増やすチャンスである。

【テレビ生中継はフジNEXTのみ】
鹿嶋から遠方の方はフジNEXTと契約しないとテレビ生中継はないので注意。JリーグセレクションやJリーグMAX契約では視聴できない。

再放送ならばBSフジにて8/3(金)18:00~20:00放送予定。

通える範囲の方であるならば、この試合のためにわざわざフジNEXT契約するよりかは、スタジアムに行っていただければと思う。

チケットは通常時と比較して激安(※バックスタンドorゴール裏で一般1,000円/小中高500円。当日券はそれぞれ500円増)。フリークス会員ならば無料チケットが届いているはず。

相手は好チームなので、鹿島の底力を確かめるにも絶好の機会。

タイトル獲得の生の瞬間を見逃さないために、是非とも来場をご検討いただければと願う。
一昨日広島戦がお披露目2戦目となった新外国人選手レナト・カジャ。

意外に好感を持ってサポーターに迎え入れられている様子。

別にゴールを決めたわけでも、アシストを決めたわけでもない。

特段スーパーなプレイがあったわけでもない。

ごく当たり前のパスを数本通したのと、一つ二つ、セットプレイでまずまずのキックを蹴っただけ。

そんな新外国人が概ね好印象を持たれるというのは、ちょっと前であれば不思議な現象だったろう。

【潜在意識が求めていたパサー】
レナトのパスの正確さ、ボールコントロールの確かさは練習グラウンドでは既に発揮されている。

ただ、公式試合2戦では、評価するほどプレイ回数が多いわけではない。

もちろん、誰が見ても物凄い選手というのはいて、そんな選手であれば一試合で十分なのだが、そうでもなさそう。

とはいえ、レナトタイプの選手が(私も含めて)多くのサポーターの潜在意識の中で「待ち人」に当たるタイプだった、そうは言えると思う。

今シーズンここまで「安定的に妥当なパス選択をできる」二列目の選手が、途中出場主体の本山雅志を除いていなかったためだ(※本山クラスになると妥当を超える想定外の高スキルパスをも選択肢に入ってくるが)。

前あるいは斜め前でフリーになっている味方選手を視野にいれる。ゴールから逆算して、ここがベストというポイントに向けてパスを出す。

それは当たり前のプレイとはいえ、言うは易し、行うは難し。

J1レベルの敵守備網にかかったエリアで、敵味方の位置を頭に入れながらボールを動かせる選手は限られる。

ドリブル主体の遠藤康&ドゥトラはそういった選手ではない。いざドリブルを始めると、ギュギュッと視野が狭まる傾向がある。

彼らが悪いのではない。二人とも彼らにしかない武器を持ち、いくつもの勝利に貢献している。それはこれからも続くはずだ。

ただ、チームとしてのオプションの少なさ、バリエーションの少なさは問題となる。

本山以外に有効オプションがなかった。

うまくいかない期間、停滞した時間帯でも、本山を起用できない場合には、遠藤&ドゥトラのドリブラーコンビでゴリ押すしかなかった。

これはハマれば強いが、対策も容易い。

そして、現状、若い二人に対策を超えるほどの老獪さは感じられない。

今や遠藤&ドゥトラコンビによる攻め手は研究し尽くされた。

【思い通りにならないストレス】
誰だってサッカーを見慣れた者であれば、試合観戦中に「ここではこういうプレーをして欲しい」というイメージが瞬間瞬間に湧いてくる。

「そこはシュート打って欲しい」「そこで敵を止めて欲しい」「そこに走って欲しい」等々。

最近の鹿島の試合で、とても、とても多かったであろうこととして「そこはパスしてくれよ!」と「そこは決めてくれよ!」いう感覚が挙げられるのではないか。

アタッキングサードの無駄なボールロスト、これは結構なフラストレーションになるものだ。

選手が仕掛けるチャレンジは歓迎なのだが、それがあまりに無謀だったり、単調に繰り返されたりすると、いい加減気が滅入ってくる。

そこへパサーらしいレナトが入って、正しいプレイを少しだが見せてくれた。

もちろん、現実的に高評価を下すのは早いのだけれども、今、レナトに期待してみるのはサポーターとしておかしなことではないと思う。

仮の話になるが、今、強力ドリブラーが加入したとしても、高評価を得るのは難しかったように思われる。

【FKは好印象も、キープ力&運動量&守備力が成功の鍵】
レナトはパスのみならず、FKやCKを狙った位置に落とすだけの技量がありそう。かつ、ミドルシュートを枠内にねじ込むキック力も備えているようだ。

但し、決して本山のようなファンタジスタではなく、中村俊輔のような一撃必殺のキッカーというわけではない(今のところは)。

ここから先、コンディションに大きく左右される能力になるけれど、キープ力と運動量、守備力があるかどうか。

加入直後から一通りのフットボールスキルを発揮したフェリペ・ガブリエル。コンディションが整った後もコンタクトプレイの弱さ、シュートセンスの低さは変わらなかった。

カルロンは加入から数ヶ月経ったら、かえって大学生にも勝てなくなった。

ダニーロは二年目からJのスピードに慣れてきて、結局レギュラーにはならなかったものの、タイトル獲得への一オプションとして貢献した。

マルキーニョスは試合を重ねる毎にメキメキと本領を発揮し、一年後にはスーパーエースとして獅子奮迅の大活躍をした。

さて、レナトはどのパターンだろうか。
J1第19節、鹿島アントラーズ×サンフレッチェ広島は2-2の引き分け。

終盤には完全に鹿島が押し込み、広島ノーチャンスの試合展開であったため、勝てなかったことは残念にも思える。

とはいえ、猛暑の連戦中二日の鹿島が、二週間休んできた首位・広島を圧倒したことは事実。これをポジティブに捉えたい。

また、次。

このまま、6連戦で勝ち点積み上げていければ良い。

【現スタッフのやり方が浸透してきた】
ここ数戦に渡って、選手たちが頑張れているということ。

明らかに粘りが増してきた。

言うのは容易いが、実践は難しい。

「真夏の連戦」「二桁順位」という、もしかしたらネガティブになりかねない要素を抱えながらも、チーム全体としてのモチベーションは保たれており、フィジカルコンディションも落ちていない。

これは選手のメンタルの強さ、プロ意識の高さが大前提ではあるが、それらを引き出す要素として、監督以下スタッフ陣のモチーベト能力とコンディショニング能力がある。

ようやく「新チーム」ではなく「現チーム」として皆が馴染んできた。

あとは勝っていければ…。

「最も苦しい時期は抜けた。これからは上を目指すだけ」という確信が隅々まで拡がっていくはずだ。

【79年組、夏場も輝く】
オリヴェイラ政権下において夏場にガタ落ちすることが目立った79年組の選手たち。

ところが、今夏は様子が違う。

ジョルジーニョ監督の守備手法は前監督と比して運動量を要求しない。そのため「瞬間的なチーム守備力」は高くならないが「通年での安定性」を出せる。夏場のコンディション落ちは抑えられる。

負傷影響の残る中田浩二以外、ベテラン選手たちも、ここ数年で最も高いパフォーマンスを継続している。

彼ら以外の選手だって春先からのダウンが感じられない(※シーズン当初は他の運動量重視チームが元気だったため、相対的に劣勢を強いられたが…)。

昨夜の試合でも小笠原と本山の79年組による決定的コンビネーション発動。完璧に崩すイメージを共有してのダイレクトパス交換。ここから大迫の2点目が演出された。

特に昨夏。守備では嫌になるほど敵に置き去りにされ、攻撃でも決定的な仕事が少なかった小笠原。

その復活ぶりは驚くばかりだ。

【やっと…】
そして、ようやく、ちょっとは吹っ切れることができるかな、と安心させてくれたのは2ゴールの大迫。

1点目は広島GK西川のファンブルという幸運も手伝ったが、集中切らずによく詰めていた。

2点目は黄金ユニットの織りなすイメージ共有を、大迫もよく感知した。

ゴールは五輪代表落選以来、初めて。

遅いよ…とも正直感じるけれども、だが、ここで決められてよかった。

大迫の得点力向上は鹿島の再強豪化の一条件であり、そのためには、まず挫折から立ち直ってもらわねばならない。

なんだかんだで気持ちの切り替えの遅い、シュート外すと引きずってしまう傾向のある彼。

今回は外され方がショッキングだったため多少引きずっても仕方ないけれど、しかし、試合の続く鹿島としては一刻も早く立ち直ってもらわないと困る。

「立ち直るフリ」は誰だってできるもので、「ゴールを決めて」内外にアピールし続けてもらうことだけが大事。

2ゴールは大きなきっかけになるだろう。

【ダブル司令塔も助けてくれる】
世界中のほとんどのゴールは、昨夜の2ゴールのようにワンタッチ(もしくは2タッチ)でシンプルに押し込む形から生まれる。

シンプルに決めるためには、シンプルに打てるようにラストパスを出してもらう必要がある。

ストライカーが覚醒するには、優秀な指導者よりも優秀なパサーと出会うことだ。

レナトには「優秀なパサー」の片鱗が確かにある。

そして、稼働率低めなれど「超優秀なパサー」である本山もいる。

「俺がワンタッチでシュートできるフリーランをすれば、そこに必ずパスを出してもらえる」

「俺が下手な動きをしていれば、絶対にパスはもらえない」

パサーへの信頼を持ってプレイすることで、ストライカーは成長する。

パサーへの信頼がないと「俺はいい動きしてるのに、パスが来ない」と(口には出さずとも)他人のせいにしてしまい、自己反省が起こってこない。あるいは反省しても、その濃度が下がってしまう。

…で、悪いけど、少なくとも今までの大迫は(私が見る限りは)その傾向。ワンタッチゴールへの予備動作、それはプロ入り後も磨き込みが足りなかった。

たしかに本山以外の二列目から好パスは少なかった。

と、同時に大迫のオフザボールの動きもイマイチ。その動きでは、ボール受けてからコネコネする羽目になる。その動きでワンタッチシュートは打てない。チャンスメイクはできてもゴールには直結しない。

しかし、ようやくパサーを得たと思う。

大迫には、きっかけ次第で、まだまだ伸びる余地がある。

五輪代表落選はその一つ。レナト加入はもう一つ。昨日の2ゴールもヒントになるもので、きっかけだ。

「ワンタッチゴール」が得意になれば、ストライカーとしての怖さが生まれ、敵DFは対応の的を絞るのが難しくなる。他のプレイ選択肢でも優位に立てる。

「ワンタッチでも」「無理矢理突破してからでも」決められる万能のエースストライカーになる可能性は、今もまだ、ちゃんとある。
いやはや、今日も死ぬほど暑くなりそう。

週末のユースや学生の試合は日中に行われるし、サッカーで死人が出ないことを祈るばかり。

鹿島アントラーズトップチームは本日18:30からサンフレッチェ広島戦。

リーグ戦一位を迎え撃つ形になる。

とりあえず、今シーズンはリーグ戦上位6チーム(広島・仙台・磐田・柏・名古屋)に一度も勝ってない。

ここで勝って、自信を確かなものにしたいもの。

今夜の期待点をザクッと挙げてみると、

・一位に勝つ。
・得点ランキングトップの佐藤寿人を抑える。本格復帰二戦目となる中田のリーダーシップにも注目。
・興梠の出場停止。ジュニーニョor岡本にやってもらう。
・中二日のリカバリー。選手の意識のみならず、スタッフ陣の優秀さが試される。
・レナトの順応。前戦から少しでも上積みが見えれば。
・前節後に「これは代えないと。このリズムとテンポだとなにも状況は変わらない」と監督に個人名を出して指摘された遠藤&ドゥトラ。彼らの変化。

猛暑高湿度の連戦、相当に大変なのは間違いない。

だが、このタイミングでの勝利はサポーターを大いに元気にする。

五輪代表チームの躍進もある。

それを本音では「面白くない」っていう若い鹿島サポーターは少なくないと思う。

大迫の外され方がショッキングだったことで、関塚監督に対して恨みに近い感情を抱く方がいても、それはファン感情として全く不思議なものではないからだ(※私は最古参クラスなので、最初から鹿島コーチだった関塚さんにも愛着がある)。

しかし、鹿島アントラーズとその選手たちは、他と比較せんでも最高に素晴らしい。

そんな試合、そんな勝利を期待しましょう。

そろそろ大迫勇也のゴールも見たいものだ。
ロンドン五輪男子サッカー、1次リーグU-23日本代表×U-23スペイン代表。テレビ観戦。

大津のゴールを守りきった日本代表が1-0勝利。

まず、ナイスファイト。

日本は強国の一つであるスペイン(※今回のU-23スペイン代表が最強レベルかどうかは、大会後まで確定すべきではないと思うけれど)を上回り、大事な初戦を勝ってみせた。

関塚監督は確かな守備組織を作っていて、かつ、選手たちのメンタル&フィジカルコンディションは非常にポジティブ。パフォーマンスの悪い選手は一人として見当たらなかった。

特に吉田、徳永の二人はオーバーエイジ枠に相応しい活躍だったし、鹿島からメンバーに入った山村も終盤投入で落ち着いた守り。大津にはここ一番の決定力があり、永井はシュート下手でも敵DFに与える恐怖感がある。

選手たちがこれだけやってくれると、一悶着あったメンバー選考にしても範囲内において正しかったのだろうと改めて腑に落ちる。

個とグループワークが融合した見事な試合運びであったため「大金星」「サプライズ」というよりか、今日のスペインならば日本が勝つのは妥当にも見えた。

準備期間に限りのある中、関塚監督以下、間違いのない準備をして、最高に気持ちを入れて五輪本大会に臨んだのだろう。

私個人的にブログ主として。

関塚監督の周到な準備に何となく気づくことができて、安易な批判をしてこなかった自分に少しホッとしている。

それは岡田前日本代表監督の時に懲りた経験があったためだ(※予想を大きく覆す南アW杯ベスト16)。

監督という人たちは記者会見や親善試合では三味線を弾いている。下手すると予選でも三味線弾いている。勝負師的な監督になると大勝負前に突如スイッチが入ることもある。

だから、安直な批判に走ることを今の私はしない。今回また、その確信を深めさせてもらった気がしている。

とにかく五輪やW杯などの大会初戦は「負けてはいけない試合」。初戦勝ったおかけで、これからは上まで行く可能性を強く持って戦うことができる。

最大限の賛辞は更に勝ち進んでから。

スペインに勝ったとはいえグループリーグを突破できなければ、その意義は格段に小さくなってしまう。一試合いい試合をしただけでは選手たち含めて誰も満足しまい。

次戦からは多くのメディアや視聴者が目を向けるだろうけれども、変わることなく再びのナイスファイトを期待している。
【勝っておきたい試合】
負けていい試合なんて一つもないのだけれど、しかし普段以上に勝っておきたい試合がある。

そこで負けてしまうと、ただの一敗以上に後が苦しくなるもので。

それを繰り返したチームが、あれよあれよという間に下に落ちて、やがては没落していくのだ。

さて、鹿島アントラーズにとって、例えば7/14の中断期間前最後の試合、J1第18節セレッソ大阪戦も「勝っておきたい試合」だった。

ここで勝ったおかげで、選手やサポーター、スタッフまで含めた「鹿島アントラーズを愛する人々」が気持ち良く中断期間に入ることができた。

中断期間の間、練習は充実し、その他スペシャルマッチにも心置きなく気持ちを向けられ、営業的にも次戦の観客動員数に幾らかはプラスになったはず。

かえすがえすも、勝てて良かった試合だと思う。

【昨夜も、また】
昨夜のセレッソ大阪戦も、また「勝たないと後で苦しくなる試合」だった。

「中二日~三日の試合間隔が続く6連戦の初戦」であり、「ヤマザキナビスコ杯準々決勝の1stleg」である。

この初戦を「負け」あるいは「引き分け」で入るか「勝ち」で入るかは、まさしく天と地ほどの差がある。

気候はサッカーするに最悪。「高温」「無風」「高湿度」の三条件が揃った日はスポーツに全く向かない。我慢大会には向く。

立っているだけ、座っているだけでしんどいところに、サッカーやって走り回っているのだから、これは選手たちには御苦労さまと言う他ない。日本の高湿度はアフリカの選手であっても苦悶するほどのものなのだ。

その点、鹿嶋より蒸し暑い大阪の夏に慣れているセレッソの選手の方が、気候面では優位だったかもしれない。

但し、こういった気候状況は試合前から監督も選手も承知の上。プランは体力あるうちにダイアゴナルラン(フリー状態での斜め走り)を繰り返し、最初から仕留めに掛かる。

それは実践された。

小笠原の狙い鋭い高精度FKから、岩政の得点嗅覚MAXのストロングヘッドで先制点。

遠藤のボールキープ力と、興梠のマーカーを外すスピード&ターン、そこからのシュートで追加点。

3点目をとって完全に仕留めるまでにはいかなかったものの、最初の2得点が効いて1失点で凌ぎ逃げ切った。

90分での充実内容を求めるのも余りにも酷。忍耐の末勝ちきった選手たちを最大限称賛したいものだ。

【不安点継続も】
とはいえ「称賛」だけで終わってしまうと記事としてはつまらなくなってしまう。

酷な試合状況であったがために、両チーム弱点が露呈しやすかった。

鹿島で言えば「FWの決定力不足」「二列目の戦術眼および守備力不足」「ボランチの体力不足」「CBの連携不足」。このあたりは変わらず続く継続課題。

FWだけで3、4点とれるチャンスは普通にあったように見えたが、悉くフイにしてしまった。

二列目の戦術不足はジョルジーニョ監督に名指しで指摘されているほどで、このためチームが「超攻撃的か、ひたすら押し込まれるか」の極端から極端に振れやすい原因の一つになっている。

両ボランチは二人とも天才的な選手であるが、スタミナ的には優れていない。後半は足が止まってしまい彼らのところでフィルターがかからなかった。

CBの連携の悪さ。失点場面では岩政はオフサイドを取ったと判断し、中田はその後方でカバーリングポジションをとっていた。これは典型的なもので、後半にかけては柿谷に中央を割られたりと盤石とは言い難い。

両サイドバックはあくまで攻撃でこそ生きる選手であるので、後半のように全体が押し込まれてしまうと、どうしたって長所が出ない。

【光明はある】
だが、いくらFWが決定力不足と言われようとも、興梠は1点とっている。大迫もそうだが、雑音気にせず、次、次へと狙っていくことがストライカーとして大切だ。

二列目ではレナト・カジャ初出場。テンポの良いパスで攻撃陣を生かしてくれそうだ。数本、ジュニーニョへ向けて仕掛けやすいパスを配球しており、初戦としては上々ではないだろうか。

本山も健在で、レナトと本山の稼働率が上がってくれば、二列目の戦術眼不足がカバーされていくはず。

小笠原と柴崎は苦しさを顔に出すタイプではないとはいえ、この暑さと湿気。苦しくないわけがないだろう。

だが、「苦しくても踏ん張る」「足が止まろうが食らいつく」ことを小笠原と柴崎がやってくれることで、鹿島には芯が通ってくる。

サッカーはメンタルスポーツの側面が強く、ピッチの真ん真ん中にいる小笠原と柴崎には、そういった「精神的支柱としてチームを引っ張る」ところまで求められる。

例えば、増田や本田が代表級の力を発揮できるようなら、彼らと出番を分かち合いながら消耗を抑えることもできよう。しかし、そうでないなら、小笠原と柴崎の「ド根性」「東北人魂」でチームを力強くリードしてもらうしかない。心配は心配だが、それくらい求められるクラスの選手であり、そういったポジションでもあると思う。

最終ラインでは「岩政と中田」「中田と新井場とボランチ」あたりが久々のコンビだったため、次はもっとスムーズになるだろう。基本的に計算できる選手たちが揃っており、体力あるうちは中田のコーチングも効いて守りの距離感が安定していた。

とはいえ、西以外の3人はベテラン。夏場にキレやスタミナ、集中力が落ちてくるのは容易に予想できるもので、計算を超えるような堅固さを望むべきではない。中盤から前の守備力を高めることによってリスクを軽減したい。

【相手も弱点だらけなので】
なお、こうして鹿島の弱点に目を向けると、ここから勝っていくのは苦しいようにも感じてしまうものであるが、しかし、サッカーは相手あるスポーツ。

まず、相対的に相手より優れていればいいのだ。

例えば、昨夜のセレッソ大阪。

杜撰際まりない組織。隙だらけのセットプレイ守備をゾーンのまま修正してこない監督。工夫のない単純クロスの連続。柿谷ら一部の選手以外、チームに残ったタレントの弱さ。

鹿島が長所を発揮すれば、勝って妥当な戦力レベルであり、セレッソ以外のJクラブにも弱点は多い。

成長途上の鹿島アントラーズであるけれど、まだまだ上を目指せる状況。

連戦なので、基本的に弱点を修正する時間はない。無理に修正かけると、今度は他が悪くなる(※例えばCBとボランチの距離を調整したら、今度はボランチと二列目の距離が広がり過ぎる等)こともあり、疲労回復第一でやっていくことになろう。

だからこそ、苦しくとも、弱点が出まくっても、それでも勝った、短所より長所が上回って勝ったことを喜ぶべきなのである。
さて、今夜はヤマザキナビスコ杯準々決勝セレッソ大阪戦。

ひさびさの鹿島アントラーズ公式試合、実に楽しみだ。

注目点は「中断期間の間にどれほどチーム力が上がっているか」に尽きる。

ジョルジーニョ監督の戦術浸透。

中田ら怪我していた選手のコンディション回復。

若手選手を始めとする、個々の成長。

そして、今夜からレナト・カジャ出場可能。

これら噛み合って、強い鹿島が戻り、必ず勝つと。

なお、19時の試合開始までにテンションを高めてくれること間違いなしの一冊が昨日発売されている。

月刊『Jリーグサッカーキング9月号』。


『アントラーズスタンダード』と題された本誌はほとんど「アントラーズフリークス特大号」と言っていいくらい充実の中身。

まだ書店に置いてあるはずだし、これは最低限立ち読みしておくことをオススメしたい。
続きはブロマガを購入して楽しもう!
このコンテンツはブロマガ(有料)です。
購入すると続きをお楽しみいただけます。
ブロマガって何?
長年、鹿島アントラーズのスカウト担当部長として活躍され、「伝説のサッカースカウトマン」と称されることもある平野勝哉氏。彼の著書『サッカースカウトマン』が刊行されている。

本書で知ることのできる主な内容は大まかに以下の通り。

・平野さんのスカウト歴。
・スカウトの仕事内容。
・鹿島アントラーズにおけるスカウトの役割。
・スカウトが選手を評価するポイント。
・79年組、岩政、興梠、増田らのスカウト秘話。
・練習見学のためクラブハウスに訪れた高校生の本山雅志。しかし当時の選手たちに(優勝争い真っ最中だったため)冷たくされたエピソード。本人入団ためらうも、その顛末。

今現在、鹿島アントラーズは、かつて日本一とされた練習施設の優位がなくなっている。他数クラブの最新施設が鹿島のそれを上回るからだ。

同様に、かつての売りだった「世界的スーパースターと一緒にサッカーができる」優位もなくなった。ジーコやレオナルド、ジョルジーニョではなく、カルロンやタルタしか来なくなったからだ。

今在るのは、クラブ全体で纏う勝負に徹する雰囲気、名選手から名選手に引き継がれる伝統。

それから、フロントの力、スカウトの力。

「Jリーグの名門鹿島アントラーズから誘われれば、有望サッカー青年は皆、喜んで来てくれるはず」かといえば、簡単に来てくれた選手など一人もいない。

スカウトマンは選手本人のみならず、指導者やご両親も説得する。選手は悩みに悩んだ末、最後の最後に鹿島アントラーズを選んでくれる。ご両親や指導者の後押しがあって、やっとアントラーズに決めてくれた選手も少なくない。

そのことを知れば、今まで以上に選手に愛着を持って、大切に応援できるかもしれない。

若手選手を育み、中堅選手が一人前になったことを喜び、ベテラン選手のキャリア晩年を見守る。

気の抜けたプレイには文句の一つは言うかもしれないけれど、心の底では、どの選手に対しても、いつだって応援している。

そういった余裕も持てるようになるかもしれない。

鹿島アントラーズサポーター必見の一冊だ。
昨夜カシマスタジアムで行われた東日本大震災復興支援スペシャルマッチ。

普段は敵味方に分かれて戦う選手たちも、この試合ばかりは共に復興支援を願う同志。

選手たちは状況内で出来る限りのプレイを見せてくれた。

スタンドの雰囲気としては、試合の趣旨からは外れるアントラーズ応援偏重が目立ってしまうことはあったものの、終わってみれば幸福な空間が在ったと思う。

【スイッチを入れた小笠原】
「復興支援」と銘打たれた試合で腑抜けたことはできない。

その意志を行動で示し、試合そのものにスイッチを入れたのは小笠原満男。

鬼気迫るほどの力強いボール奪取、そこから前の攻撃意志を込めた縦パス。

昨日の小笠原のプレイぶりならば、デル・ピエロや、またデル・ピエロ目当てに来場したセリエAファンにも誇れるものだった。

小笠原以外の鹿島アントラーズのメンバーも、ホストスタジアムクラブの一員としての役割を完遂。守備をしっかりすることから入って、時折それぞれの特長も出して、試合を引き締めてくれた。

大抵の場合、オールスターゲームだと4-3とか大味なスコアになるもので、そのスコアによっても試合テンションがユルくなってしまうもの。

そうはならなかったし、そうさせなかった。

仙台の選手たちが有する素早い攻守の切り替え。それに鹿島の選手たちの気持ちの入った裏方ぶり。そして、今野ら東北出身選手がもたらした急造ディフェンスを機能させる献身性。

タレント豊富なJリーグ選抜の攻撃を堅守で封じることにより、試合レベルを引き上げた。

【親近感で長所も分かる】
同じチームの味方だと思うと長所を探すもので、例えば仙台MFリャン・ヨンギとGK林卓人。

敵として見ているうちは気づかなかったが、彼らは完全に代表の枠に入ってくるレベルの選手だった。

リャンはオンザボールの技術だけでなくフリーランニングも上質。あれだけ全てに質の高いMFはJリーグには滅多にいない。

林はボールの出所が隠されて見えないシーンであっても、見えてからの反応でセービングできてしまう。アゴが立派なのもいい。古来より一流GKと一流プロレスラーにはアゴが立派な人物が多いものなのだ。

彼ら以外のベガルタ選手たちにも「堅守速攻」が身体に染みついている。

監督の力量を見極めるポイントに「選手が守りに戻る速さ」があるが、手倉森監督はそれを仙台で実現している。選手たちに浸透している。たしかに、これなら現在リーグ戦上位に入っているのも頷ける。

東北出身選手として最終ラインに入っていた今野の守備アプローチの速さにも目を見張った。そのタイミングもコースも達人芸。ガンバで何故うまくいっていないのか、不思議だ。

アントラーズ選手の特長の素晴らしさは(※それと、鹿島に長く在籍した柳沢敦の特長も)日頃から分かっているつもりだけれど、他クラブの才能に改めて気づく体験。これはちょっと新鮮だった。

【衰えても、その技術は】
予想通り、デル・ピエロは走れなかった。やはりどんなに技術があっても、走れなければ技術を披露する機会は少なくなってしまうもので。

それでも、さすがのプレイはいくつかあった。

フィニッシュに直結するパスセンスも、それからシュートセンスも。

TEAM AS ONE3点目はデル・ピエロ、利き足でない左足。PAのやや外、右寄りから放たれたボールは、ギュワンと低空飛行。ワンバウンドでゴールイン。

個人シュート練習でも、彼は「PAライン上~数メートル外」の距離からバカスカ入れていた。

その距離、普段クラブハウスで見るアントラーズ選手のシュート練習であれば(残念ながら)当たり前に外す距離だ。

日本人プロサッカー選手と海外一流プロサッカー選手の比較。リフティング等のボール技術は、さほど変わらないとされる。むしろ日本人選手の方が上手いことが多い。

ただ、シュートレンジが決定的に違う。そういったレンジの違いをデル・ピエロも見せてくれたと思う。

昨夜の彼のゴール、観戦したサッカー中高生や小学生の脳裏に焼きついたはず。

子どもたちがPA外からでもどんどんシュート練習して、そして当たり前のように決めるようになってくれれば。そうなればデル・ピエロに来てもらった甲斐が一つあったというものだ。
今日、午後2時半過ぎからカシマスタジアムで行われた東日本大震災復興支援スペシャルマッチの公開練習。

鹿島アントラーズから多数の選手が参加しているTEAM AS ONEのみ見学。

【和やかな時間】
仙台と鹿島の選手、東北地方出身選手、更に海外からのゲストであるデル・ピエロを加えたTEAM AS ONE。

公開練習は「ボール当て鬼ゴッコ」や「ミニゲーム」といったメニューで、終始和やかに進められた。

まず良かったのは、選手たちがメンバーに選ばれたことを誇りに感じている様子が伝わってきたこと。「復興支援試合を成功させる」という共通の目的の下、寄せ集めらしからぬ連帯感が感じられた。

その中心には、仙台と鹿島、それに日本代表でも活躍してきた柳沢敦の存在があった。彼がほどよいボケ役となり、いい潤滑油になってくれる。

爆笑を誘ったのは林卓人(仙台GK)。

ミニゲーム中、味方DF陣に向かって「デル・ピエロ・ゾーン(※デル・ピエロが得意とするゴール前左45度のシュートゾーン)空けて!空けて!」と指示を出し、守りはガラ空きに。

当然、デル・ピエロは完全フリーに。即座に右足を振り抜き、シュートはゴール枠内右上を捉える。

なかなか強烈なシュートだったのだが、林も空気読まず鋭く反応。華麗なセービングで魅せる。彼は子や孫の代までもデル・ピエロのシュートを止めたことを自慢していくものと思われる。

もちろん、アントラーズの面々もとても楽しんでおり、笑顔が絶えなかった。小笠原も鬼ゴッコでは狙いの的にされまくって笑いを誘っていた。

【極上の技術】
注目のデル・ピエロはミニゲームから途中参加したものの、それまでは別メニュー調整(※長時間のフライト直後、今朝日本に着いたため)。

全体練習を行っているピッチの反対側で、トレーナーとランニングしたり、シュート練習で感触を確かめていた。

テレビでは昔から何度も見ているデル・ピエロだが、これほど近くでじっくりシュート練習を見る機会は滅多にない。

…で、これはいいもの見せてもらったなと。

あくまで練習であるが、一言で表現すると「滑らか」。ファーストタッチからシュートまでが絹のよう。

例えば、あまり上手くないFWだとプレイの繋ぎ目、「トラップして」「コントロールして」「反転して」「シュートして」という動作がいちいち分かれているように感じるのに対し、上手いFWになると一連の動きが繋がってくる。

デル・ピエロは、やっぱり上手かったというか、繋ぎ目がないんじゃないかというくらい滑らかだったので少々驚いた。

そして、反転時の円の半径がかなり小さい。これなら狭いスペースでもクルッと回ってシュートできるはずだ。

PA内のスペースや時間が極めて少ないセリエAでゴール量産する技術力とは、こういうものなのか。

明日のスペシャルマッチ、結構楽しみ。

カシマスタジアムの芝も、今夏はメチャクチャ綺麗だ。
日本五輪代表はベラルーシ五輪代表との親善試合。テレビ観戦。

実質的には、ただの公開練習試合。選手交代枠も自由で、交代采配についても両チーム共にテスト調整のためであって、勝負のためではない。

テレビ放送してくれたのが不思議なくらいのものだったが、それだけ五輪男子サッカーへの注目度が高いということなのだろう。

鹿島アントラーズから選ばれている山村和也は後半頭から出場。

後半の前半分をボランチで、後半分をCBでプレイ。どちらもソツなくこなしてくれた。

攻撃では何度か裏を狙ったパスでチャンスメイク。守備では相手パスコースを読んでカットした。

彼はJ1の試合でもそうだけれども、パスを受けてからのボールコントロール、それから次のパスを出すまでの一連のアクションがスムーズで、ボールを前に進めることが第一選択肢になっている。

フリーで縦に出せる状況であっても、横パスあるいはバックパスを選択してしまうボランチやCBが多い中、縦パスを打ち込める選手はとにかく貴重(※それゆえにスピードや運動量が低下した今もなお、小笠原満男は非常に貴重な選手である)。

前にボールを動かすパスセンスに関して、山村は鹿島歴代のボランチ&CBの中でも優秀なものがある。岩政はもちろん、青木や伊野波より数段上だ。中田浩二にも勝るかもしれない。

鹿島で試合に出続けているおかげでコンディションも上がってきており、守備力も高まってきた。

まだ良くなりそうだし、次の試合も楽しみだ。
【鹿島サポーターも一見の価値あり】
一昨日、宮本恒靖選手の引退試合が行われた。

テレビ観戦したところ、事前の想像を超える素敵なイベント。

宮本選手の人望と、協力者たちの友情、それぞれの親切心はテレビ画面越しにも微笑ましく伝わってきた。

小笠原満男、本山雅志、中田浩二ら鹿島アントラーズの3選手も参加。

試合終了直後、この日のピッチリポーターを務めた播戸竜二が小笠原への突撃インタビュー。

ピッチから退き揚げる途中の小笠原にマイク片手の播戸、「ミツオ!ミツオ!」と呼び止める。カメラの前で「まだまだ俺らも頑張ってね」「俺らもさ、全員で、皆で引退試合やろう」などと笑顔で語り合い、「黄金世代の戦友」ぶりを感じさせてくれた。

中田浩二は宮本選手&中澤と共にフラット3を再現。本山雅志と中村俊輔のダブルファンタジスタも実現。

未視聴の方は再放送でご覧いただければと思う。今週中は複数回の再放送が予定されている。BSアナテナ持ちの家庭であれば、スカパー未加入でも視聴可能だったはずだ。

【フラット3のリーダー】
2002年日韓W杯~2006年ドイツW杯までの間。

日本代表チームの攻撃のリーダーが中田ヒデとするならば、守備のリーダーは宮本だったと思う。

中田ヒデが、その圧倒的な実力と実績によってリーダーに祭り上げられてしまったのに対し(※若く繊細で孤高の人だったヒデにとって、リーダー役を強いられることは本人の重荷になっているフシがあった)、宮本恒靖は最初からリーダー能力を武器とする選手だった。

トルシエ日本代表監督時代のフラット3は、今見直しても戦術的に興味深く、面白いものだった。よくこれでチーム作って、勝ち進んだなと。

スタートポジション横一列の3バック。宮本をDFリーダーとして中央に配し、今は亡き松田直樹と、当時髪がフサフサだった中田浩二が左右を固めた。

フラット3のラインコントロールは細かく、厳しいもの。

例えば、鹿島アントラーズであれば、伝統的にラインの上げ下げは細かくない。

オリヴェイラ前監督初期の2007年後期から2008年前期くらいまでは、個の力のピークが重なり、監督の持ち込んだ組織力も高まり、大岩をDFリーダーとした岩政とのCBコンビネーションも盤石に近い状態になったため、鹿島史上でも屈指のラインコントロールが具現されていた。

だが、20年に及ぶクラブ史でもそんな期間は稀。

CBが良くても中盤で守れない時期あり、逆に中盤では守れても最終ラインが安定を欠く時期あり。なかなか、全てが噛み合うタイミングは長くは続かない。

ラインの上げ下げには絶対に中盤の守備協力が要る。味方中盤が敵ボールホルダーを捉まえていないのにラインを上げることは、裏にスルーパス出してくれと言っているようなものだからだ。

トルシエ日本代表期には才能ある選手が多く、更にチーム作りに十分な準備期間が与えられた。

日本代表の練習中、トルシエはライン上下動のタイミングに鈍さが見られれば、即座に止めてヒステリックに怒鳴り散らしたらしい。

だが、宮本のラインコントロールは秀逸だった。闘争心ある万能CBの松田直樹、トルシエの申し子とまで称賛された中田浩二。この三人で形成されたフラット3は次々に対戦国の攻撃をオフサイドトラップで絡め取る。

時折、数的不利のカウンターを食らうことがあっても、例えば、宮本と中田二人で敵の攻撃を遅らせ、帰陣した味方と挟み込んで守りきることも多かった。

この守備システムを練磨したこともあり、日本代表はW杯ベスト16まで勝ち進む。

【リーダー力】
宮本の統率力、ラインコントロール、サッカーIQは若い頃から高かった。

アジアカップでのPK戦逸話はあまりにも有名。

荒れたピッチに軸足を取られ、続々とPK失敗する日本代表。PK戦に負ければ大会敗退だ。

その危機的状況で宮本主将は外国人主審に対し、英語での直接交渉に打って出る。ピッチの荒れていない逆サイドのペナルティエリアをPK戦に使うべきであると。

宮本主将の説得実り、前例多くないであろう、PK戦途中でのゴールサイドチェンジが実現された。

ここから流れを掴んだ日本代表。見事にPK戦逆転勝利を収める。

一昨日の引退試合最後の挨拶も堂々としたもの。手元に原稿を用意せず、人の心を動かすスピーチを情熱込めてこなしてしまう。

私は「日本の政治家はダメ」だと決めつけたくない方であるけれども、しかし、多くの政治家の「原稿棒読み」は苦々しく思っている。下手でもいいから、自分の言葉で喋ってくれと。

宮本選手は現役の若い頃からリーダーを実践してきた、希有なサッカー選手だった。

彼のような人物は引退後にこそ期待がかかる。益々のご活躍を祈念したい。

【頭脳派でも35歳は…】
それにしても、身体能力に頼るプレイヤーでないだけに、昔から私は、宮本選手ならば長く現役を続けられるのではないかと考えていた(※中田浩二もそういう選手だと思う)。

しかし、35歳での引退。鹿島で大岩がポジションを失ったのもその頃だ。

プロサッカー選手の35歳は、スピードやパワー、体力の低下を、経験でカバー出来なくなる年齢なのかもしれない。

彼が引退するとなると、いよいよ感慨深くもなる。

これで1977年生まれのJ1所属大物日本人選手は、もう柳沢敦一人残すのみとなった。

その一つ下の78年生まれに中村俊輔がいて、そして79年生まれには鹿島の五人衆(小笠原、本山、中田、曽ヶ端、新井場)と、それから遠藤保仁、小野、高原、稲本、加地、坪井、播戸ら。

さすがに79年生まれは日本サッカーの黄金世代と称されるだけあって大物揃い。

しかし、その79年組とて、あと二年で35歳。その先まで現役でいられるかどうか。

後から後悔しないよう、彼らの一試合一試合。

しっかり応援していきたい。
【自信増す新最終ライン】
鹿島アントラーズは直近二試合を1-0完封連勝。

特に一昨日のセレッソ大阪戦では、勝負強い鹿島アントラーズが出始めていたかなと思う。

序盤、相手の猛攻をゴールポストをも駆使して守りきり、小笠原満男の直接FKで1点をもぎ取る。リードしてからは試合をスローダウンさせ、そのまま逃げ切る。

最後のところまで攻め込まれる回数は依然として少なくないものの、最終ラインとボランチは自信を持って身体を張るようになっている。

【個の才能】
「カルロス・アウベルトのよう」とジョルジーニョ監督に絶賛された西大伍。

右サイド高い位置、意表を突くアウトサイドパスで敵DF二人の間を抜くテクニカルな技術で魅せたりと、SB離れした高スキルSBとして存在感を増している。彼がボールを持った時の余裕は技巧派MFのよう。

新井場徹も大阪凱旋を飾る円熟プレイ。経営するLateral(ラテラウ)は枚方つーしんでも一押し紹介されている。

山村和也はJ1のスピードに慣れつつあり、前節・前々節のパフォーマンスはU-23年代CBの中で最も安定したもの。これから数試合、鹿島を離れるが、五輪出場でのレベルアップに期待がかかる。

DFリーダー岩政大樹も前節の中田浩二に続き、無失点勝利の立役者に。

出場停止明けや怪我明けの試合というのは、守りの選手にとって難しいもの。まして、前節は自分の出場停止中にチームが久々の零封勝利とあって、失点できない気持ちが強かったはず。

そういった本人にしか分からないであろうプレッシャーもあった中、しっかり準備して入ってくれた。受験勉強成功させてきたゴリラだけあって準備力が高い。

復帰戦で立ち上がりからあれだけ攻め込まれるとバタバタするものだが(多少バタバタしたけど)、空中戦にブロックにと頼り甲斐ある守り。

また、中田には治療を優先して休みが与えられたわけだが、それがこれからの連戦に好影響を及ぼすだろう。ベテラン選手の筋肉系負傷は完治させてから復帰することが大事で、万全の中田なら夏場の鉄壁構築に貢献してくれるはず。

「特別な若者」である柴崎岳は、かつて同じく「特別な若者」であり、今は「特別な主将」である小笠原の隣で着実な進歩を遂げている。

例えばセレッソ戦、試合中に二列目にポジションを上げてからも即座に対応。それまでの二列目の守備が怪し過ぎたので、その優秀さが鮮明に浮かび上がった。

そう、本山も(二列目の時の)小笠原も、ガンバ黄金期のルーカスも、そういう風に守っていたのだ。

本当に優秀なMFであれば、Jリーグレベルであれば、ボランチも二列目もこなしてしまうもの。

それは小笠原や本山だけでなく、遠藤保仁や中村憲剛も証明している。柴崎も、そのクラス(代表クラス)の才能ということだ。

組織守備には難のあるドゥトラも、その特長は怪異。脅威的な馬力のドリブル突破、プレスバックするスピード、そして高さという、なかなか日本人選手が併せ持たない武器を一人で兼ね備えている。

大迫勇也は度々決定的なパスを送り、興梠慎三も抜け出しまでは完璧。才能ある若き2トップ、得点力の低さだけが、心底惜しまれる。

【注目の課題は次なるものへ】
盤石のGK曽ヶ端準が構え、最終ラインも落ち着きつつあるとなると、残された課題は「二列目の一角」「FWの決定力」に移ってくる。

いや、元々、それは何年も継続課題であったわけだが(※CBについても大岩剛の衰え以来隠れた継続課題だった)、何より最終ラインのミスは真っ先に目立ってしまうものだ。GKとCBが安定しないと試合には勝てない。

だが、山村や西が自信をつけ、岩政の研究心は衰えることなく、中田のコンディションも戻ってきた。新井場はひらつーで紹介された。

それでもミスはあるけれど、そもそも「一試合ノーミスの最終ライン」といったものは存在しない。サッカーは相手のあるスポーツなので、一先ず大事なことは「所属リーグの標準レベルに達しているか。そこを超えているか」だと私は考える。

ここ二試合に関しては、アントラーズ最終ラインはJクラブ平均を超えるレベルに達していたと言っていい。

既にレナト・カジャが補強されている二列目。ここが次に固唾を飲んで見守るポイントになる。

「補強した」ということは、最初からクラブ首脳は「人を代える必要性が高いのはここ」と捉えていたのかもしれない(※まだ一つ補強の可能性はあるので、そこだけとは言えないが)。

通常であれば「同ポジションに外国人二人を並べない」のが鹿島アントラーズの選手補強原則。日本人選手の成長を妨げないためだ。

但し、これはあくまで原則であり、過去遵守されてきたわけではない。チームが勝つために、度々、破られることがあった。

今回もレナト・ガシャとドゥトラが並べられる可能性は、高いように思われる。

【遠藤康は正念場】
理想的には、長年、鹿島で下積みを積んできた遠藤康が、一段成長して、あるいはコンディションを上げて、チームを勝利に導く活躍をして、ポジションを守ってくれれば一番である。

だが、最近のプレイぶりを見る限り、肉体的、精神的、頭脳的な疲労が色濃い。元来、体質的に夏の暑さを苦手とする選手であり、また、連戦も苦手だ。

蓄積疲労で身体が重くなり、元々広くない視野が更に狭くなり、判断速度も技術精度も落ちている。攻撃での決定的プレイが減少し、守備での抜けが増大している。

そういった現象は誰の目にも明らかで、何より本人が一番しんどそう。サポーターのやきもきする声も増えてきた。

幸い、昨日から選手は三連休であり、また試合間隔も空く。

不調期に入っているとはいえ、遠藤のドリブル力は健在。セレッソ戦では少なかったが、その前の大宮戦では敵ブロックの中でドリブルで仕掛けていた。

ストライドの大きなドゥトラと違い、遠藤は狭い場所からでもドリブル開始できる強みがある(※縦ではなく、斜めか横に進むドリブルだけれども。ドゥトラは加速して縦に突貫することが可能)。

昨年くらいからの彼の努力は目を見張るものがあり、低調のまま沈むとは思えない。

リフレッシュして、再び、奪われないドリブル、ゴールを生む得点力とアシスト力を。そして、味方ゴールとチームの勝利とで快活に笑う姿を。

また見たいものだ。
【天才復活?それとも一時復活?】
久々に小笠原満男が天才ぶりを魅せてくれた。

若年時は「東北の天才児」とされた小笠原。

ここ数年、30歳を越えた彼は、玄人好みのプレイをする「いぶし銀のベテラン選手」へと比重を移していた。

ところが、昨日のセレッソ大阪戦のタイミングで天才児ならではの武器が発動。

【歴代4位の直接フリーキック】
前半38分の小笠原。セレッソペナルティエリア手前中央からの直接フリーキック。

適当(※この場合、本来の意味である「適切かつ妥当」)に蹴られたボールは美しい軌道を描く。韓国代表GKキム・ジンヒョンを上回り、ゴール左上隅に突き刺さった。

これがこの試合、両チーム合せて唯一のゴール、勝ち点3を引き寄せる決勝弾。

まさか、小笠原にまだこんな力があったとは。

再び、公式試合で魅せてもらえる日が来ようとは。

2008年の大怪我(※左膝半月板損傷および前十字靱帯損傷。当初は全治10ヶ月とされた)によって、彼の100%のキックは永遠に失われたものと思っていた。

ゴールが決まった瞬間、深い喜びと共に、私は自分の認識の誤りを反省。小笠原のキックは、今でも期待に値するレベルを保っている。

これで直接FKによる通算得点は13となり、Jリーグ歴代4位タイに浮上した。

【強烈アプローチ】
小笠原はキックだけの選手ではない。

キック「だけ」なら、同年代の黄金世代には中村俊輔や遠藤保仁、小野伸二といった名手たちが揃っている。単純にそれ「だけ」を取れば、小笠原より彼らの方が上なのかもしれない。

しかし、小笠原のどこが凄いか。

彼には守備能力、守備能力の中でも主体的なボール狩り能力を有しているのだ。

これは俊輔も遠藤ヤットも小野伸二も持たない能力。

かつて名波浩氏が挙げた守備のスペシャリスト四人。そのうちの一人は小笠原満男(※他三人は明神、今野、服部)なのである。

圧倒的に速い小笠原の守備アプローチ。

近年、一試合に一つも見られない試合が増えつつあった。

それが昨日のセレッソ戦では、複数回。

出足鋭くガシッと奪って、即攻撃に繋げるシーンを生み出した。

相手攻撃を強制終了させ、逆に鹿島の攻撃にスタートスイッチを入れる。

昨夜のMVPを一人だけ挙げるとすれば、満場一致で小笠原になるだろう。

【スペシャルスキルの継承】
主体的に仕掛けて奪いきってしまう守り方。

そのスペシャルスキルを備える選手は、現代表選手まで範囲を広げても決して多くない。

今、鹿島アントラーズはどこでボールを奪うか、あまりハッキリしない。

大抵、ディフェンディングサードの低い位置でセカンドボールを拾うか、GK曽ヶ端がキャッチするか、いずれかのパターンだ。

攻撃でも守備でも、一番強いところで勝負するのがチーム戦術の基本。

バルセロナが圧倒的にパス回しをしても、最後に勝負するのはリオネル・メッシ。

三連覇最強期の鹿島だってそうだった。

チーム全体で連動して敵のパスコースを限定。最後はチームで最もボール奪取力があるポイント、即ち小笠原満男のところでボールを奪うことが、本当に多かった。

かつて小笠原と組んできた青木剛も、増田誓志も、そうはなれなかった(※通常の守備能力は十分あるし、これから向上の余地もあるかもしれないが)。

現在、小笠原の隣で成長中の柴崎岳は、その特異なるボール奪取力を得てくれるだろうか。

柴崎はただ試合をこなしているのではなく、毎試合毎試合、ヒントを得続けていると思うのだ。
昨日は新井場徹選手の誕生日。

アントラーズクラブハウスグラウンドではチームメイトから手荒い祝福。

小麦粉や卵を「誕生日の人」に向かってぶつけまくるという、鹿島お馴染みの光景が繰り広げられたとのこと。

毎度思うのだが、本当にこれがブラジル流なのだろうか。

ブラジルの誰かが悪ふざけでやっていたものが、流れ流れて「ブラジルの伝統的なお祝い」として日本のサッカー界に広まってしまっただけなのではないか。

例えば、欧米人が「日本の家には全て畳がある」「日本人男性はチョンマゲしている」「日本人女性はおしとやか」と勘違いしてるのに近いのかも。

まあ、いい。とにかく新井場選手の誕生日はめでたい。

大きな怪我もなく現役生活を送る彼は、33歳になった今も日本人サイドバックの第一人者として衰え知らず。

得点力以外の攻撃力はそのままに、上下動のタイミングと守備力は若い頃を凌駕している。

更に、現役サッカー選手であると同時に起業人でもある彼は、先日、大阪府枚方市に『フットサルパークLatelar/ラテラウ』をオープンさせた。

ラテラウ公式サイト内では内田篤人選手から届けられたオープン祝いの花束写真も掲載されている。

枚方市周辺でフットサルコートをお探しの方、是非、ご利用いただければと思う。
続きはブロマガを購入して楽しもう!
このコンテンツはブロマガ(有料)です。
購入すると続きをお楽しみいただけます。
ブロマガって何?
五輪代表壮行試合、U-23ニュージーランド代表戦。

実質的には練習試合。ご飯食べながらテレビ観戦。

ミーハーかもだけど、香川&宮市&宇佐美が揃っていたら、もっと本気で観たんだと思う。

彼ら年代トップの選手がいない上に、普段の練習試合より手の内を明かせない本大会直前の時期。

試合条件的に期待できないのは仕方ない。

鹿島サポーター唯一の楽しみは山村チェック。

さて、鹿島アントラーズから選ばれている山村和也はCBとして出場。

ここ数ヶ月、J1のスピードに揉まれてきただけあって、このレベルの試合なら全く余裕に見えた。

彼は昨年、かなり大きな怪我をしてしまったわけだけれども、最近では怪我前後のコンディション低下(※疲労骨折。痛みは負傷する前から長く抱えていたもので、不調が続いていた)からだいぶ戻って、プロとしての上積みも出てきたのかなと思う。

空中戦の跳躍力、本当に高いよね、彼。

ここ数節の鹿島での試合でもそうだけれども、メチャクチャ跳ぶ。

「こんなに跳べたっけ?」ってくらい跳んでいるので、コンディションが上がっているか、あるいは、何か「跳ぶコツ」を掴んだのかもしれない。

山村の最高打点なら、ケネディや闘莉王ともいい勝負になりそう。

あとは岩政のような細かい技術の積み重ね、経験則が伴ってくれば、将来は最強レベルのエアバトラーになってくれる…かもしれないね。

長短のパスは言うまでもなく、CB離れしたもの。

繋ぐのがやっとなCBも少なくない中、山村はパススピードも試合の流れに応じて変化させていて、CBのところからでもリズムを作れる。

あとは、声が出るようになって、あらゆる意味で無理が利くようになると、評価も上昇するだろう。

昔、秋田豊あたりは「数的不利?筋肉アピールチャーンス!」「オシャ!来てみろやー!」とばかりに、ピンチになるとむしろ張り切るほどだった。

昨夜の試合でも、最後、村松の凡凡凡凡ミスをリカバーして防いじゃうようだったら(もちろん、山村が防げなくて全然悪くない状況)、「おおっ、山村スゲー!」ってなったところ。

今の山村だと、あまり無理の利く印象はない。

不幸中の幸い、鹿島では公式戦で数的不利を数多く体感できる。手本となる先輩もいる。

先の大宮戦、中田浩二はフィジカルコンディション悪いながらも、敵味方の配置と動きを正しく把握し、予測した上での知性溢れる守り。リーグ復帰戦とは思えないほど数多くピンチの芽を摘んでいた。

岩政も空中戦セオリーだけでなく、点をとる技術、地上戦での身体の使い方など素晴らしいものがある。

山村の跳躍力と攻撃センスは確か。体格にも恵まれ、スタンディングのボール奪取には柔らかさがある。

鹿島で試合に出て、五輪代表で国際大会にも出ているおかげで、急激に経験値を増やしている。

CBに一番必要なのは試合経験。

プロ一年目からガンガン積めてるから(ジョルジーニョ監督が積ませているから)、楽しみだ。
日本代表にも選ばれたことのある二人、岩政大樹選手と増田誓志選手。

この大物選手たちのプレイを無料の練習試合で見られるなんて、なんともラッキーなことだ。

【主張の強い男】
大学生との練習試合だと、アピール上は不利でおかしくないんだよね、彼。

まず、大学生FWには特に背の高い選手はいないから、得意のヘッドは勝って当たり前になる。そこで普通に勝っても彼を知る周りの人は驚かない。

それからプロと大学生の力関係から、試合は圧倒的に攻める形になる。味方のポゼッション率が上がれば、CBがボールを持つ機会が増える。

そうなると、足下の技術に優れない岩政大ちゃんが凡庸な選手に見えてしまう、そうなってしまうことは十分あり得る。

でも、凡庸に見えない、見せないのが大ちゃんの強み。

堂々とDFリーダーの位置にいて、臆せずボールを受けて、出来る範囲でキッチリパスを通す。いけそうだったらロングフィードも狙ってみる。

技術的には隣の昌子源の方が遥かに上手いのにね。

昌子ならバックパスも悠々処理して即座に前の味方につけられる。この日の昌子はフィードで目立つことはなかったと思うけど、ボールコントロール一つで相手FWのチェイシングをいなす技量には惚れ惚れする。

大ちゃんにそこまでの技はない。

でも、大ちゃんの方が遥かに目立つ。プロフェッショナルとしての自己演出力が凄いもの。

普通に跳んで勝てそうな空中戦であっても、毎回最高打点で勝つ。大ちゃんのMAXヘッドは本当に美しくて力強い。見る者の脳裏に強く焼き付けられる。「アイツ、スゲーな!」って。

ヘディングという武器をこれでもかとアピールし、かつ、メンタル的な強気。

「自分に厳しく行けーっ!」とチーム全体に大声で気合を入れる。

と思ったら、その直後に自ら凡ミスパス。

見ている方は苦笑するしかない。

でも、そこでショボンとしないし、何食わぬ顔でプレイし続ける。

常人でない図太さ(※本当は大ちゃんは繊細な若者であるけれども。例えば、マウンテンゴリラを都会で飼育したらストレスで死ぬと言われるくらいだから)がプロ選手としての成功の秘訣なのだろう。

【不器用な男】
テクニックにもフィジカルにも優れた万能MFの増田誓志。

彼のカッチョいい姿形、恵まれた体躯はピッチに立っているだけで目を引かれる。

その一方、プレイそのものは無難かつ地味、堅実。

中盤で守備のバランス崩さず、攻撃でもボールの流れ止めず、失わず。

増田のパス&ムーブの技術は高く、大学生相手に低い位置でプレイするには有り余るくらいのもの。余力を残したまま、淡々とショートパスを繋いでいく。

彼の今のポジションはボランチなので、安全正確性を重視し、リスクの高いチャレンジを最小限に抑えてのプレイで問題ない。

一時の最悪期よりか、フィジカルの回復も見て取れる。

ただ、私個人的な心配として「首脳陣へのアピールになったかなぁ…?」ということと「本人、やりきった感がないんじゃないかなぁ…?」というところ。

これがJ1やACLの公式試合であれば、ボランチとしてガマンして、バランス取って、それでチームが勝てれば最高のパフォーマンスであると賞賛できる。

しかし、大学生相手の練習試合でバランサーに徹するのは、アピールという意味でも、本人の充実感という意味でも、少々不安になる。

ボランチの相方が守備型の梅鉢だったのだから、増田はチャンス見極めてもっと攻撃に絡んで良かったのでは…?とか、守備でもガツーンガツーンとボール奪取するシーンがあって良かったのでは…?とか。

そもそも彼のポジションがボランチでいいのか、私の中で今だに答えが出ないし、山形にいた頃の方が充実していたのではないかと余計な心配すらしてしまう。

スパッと分かりやすいアピールに成功してくれたら、スッキリ応援できるのだけど。
練習試合、鹿島アントラーズ×東京国際大学。

注目の新外国人選手、レナト・カジャも先発。後半途中まで出場。

【修行効果UPアイテム】
「亀の甲羅」をご存じだろうか。

大きくて重ーい、人が背負えるタイプの甲羅。

天下一の武道の達人と謳われた武天老師(通称・亀仙人)が弟子たちの修行に使用したことで有名だ。

亀仙人の二人の弟子、孫悟空とクリリン。

二人は数十kgに及ぶ甲羅を背負って厳しい修行に励んだ。

数ヶ月に及ぶ修行の後だ。

亀の甲羅を外してみると、あら不思議。

驚くほど身軽になり、外した途端に数倍のジャンプ力とスピードを得たのだ。

鹿島の秘密兵器、レナト・カジャも亀仙人と同じ修行方法を採用している。

お腹周りに「脂肪浮輪」というトレーニンググッズをつけて来日。

重りをつけているだけあって、当初、動きは鈍かった。

だが、今日の練習試合は少し重りを軽くしての出場。

減らしたとはいえ浮輪着用の上でのプレイ。運動量やキレは足りないものの、ある程度の特徴を垣間見ることができた。

【レナト特徴箇条書き】
・プレイメイカータイプ。

・ほぼ左足一本でプレイする。

・野沢拓也並の絶品アウトサイドトラップが一つ。

・スルーパスから得点機を一つ演出。

・コーナーキックキッカーとして、ど真ん中フリーになった岩政の足下にスポッと。まずまずのキック精度。

・主に右サイドでボールを持ち、パスを捌く。ワンタッチパス、あるいはちょっとドリブル入れてからパス。センターサークル付近までボールを貰いに下りてきては組み立てに絡む。時折ゴール前にも詰めていく。

・球離れはほど良い。フェリペほど良すぎることもなく、タルタほど持ちすぎることもない。

・左右のサイドバックにボールを配球できそう。

・腹に重りが残っていることもあってか、今日のところは運動量豊富ではない。しかし、プレイ範囲が広い選手の特徴は出ている。

・パス出し地蔵ではなく、出した後ちゃんと動ける。

・サッと足を出しての巧みなボール奪取が一度。

・本山やレオナルドのようなファンタジックなテクニックを持つゲームメイカーではない。物凄く良く言えば、ビスマルクのように確かなプレイを高いレベルで実行するタイプ。太りやすいのもビスマルク似。顔は少しイニエスタに似ているかも。

・得意プレイゾーンは遠藤康と被ることになりそう。ちなみに遠藤は大学生相手の練習試合において圧倒的プレイメイカーになる。J1とのレベル差を考慮せねばならない。

・今のところスーパーな感じはない。スーパーを期待していた見学者には物足りなかったかも。ただ、浮輪を完全に外せば鹿島に必要な選手になってくれそう。

・これからレナトが上がってくるならば、今こそ遠藤orドゥトラはスタメン死守の正念場。
鹿島アントラーズ×大宮アルディージャは1-0勝利。

選手たちの長所が積み重なり、嬉しい結果を引き寄せた。

【攻撃多彩なサイドバック、西大伍】
74分、右SB西大伍の斜角に走るグラウンダーシュート。速さと威力を備えた強烈なボールが大宮ゴールファーサイドに突き刺さる。

鹿島歴代の名SBはしばしば記憶に残るゴールを決めているが、西のゴールにもそこに列せられるだけのクオリティがあった。

元々は中盤から前の選手。本人がやりたいポジションも本音は前というだけあって、DF離れしたテクニックを持つ。西くらいになるとDFと呼ばれることにも違和感を覚えることだろう。

この試合でも再三再四、右サイドからクロス。味方と合わないこと、真ん中で跳ね返されてしまうことが続いていた。

しかし、クロスでダメでもDFをかわすドリブルだってある。そしてシュートもある。

試合は膠着状態。

どこかで大ミスが出るか、あるいは誰かの個人能力で瞬間的に上回るしか点が入らないゲームバランス。

西のシュートは大宮DFの想定を超える予測不能さがあった。彼のキック技術と得点感覚が膠着状態を突き破ってくれた。

【神懸かり?いいえ、実力です】
今季、ナビスコ杯マリノス戦以降、GK曽ヶ端にビッグセーブ連発が目立つ。

私もよく使ってしまう「神懸かり」という言葉。今シーズンは攻められる回数が多いこともあって、曽ヶ端が「神懸かる」試合が比較的多い。試合の序盤から連続してセービングに成功するとGKはノリやすいものなのだ。

だが、昨日の彼のパフォーマンスについては「神懸かり」という言葉をあまり使いたくない。

ファンブル気味の対応があった他は、集中力高めて、その練磨された実力を遺憾なく発揮してくれた。

非常によくボールが見えていたし、予測も正確。偶然ではなく理詰めで確実に守った。

寸でのギリギリセーブに見えても、曽ヶ端としては慌てる素振りのない、非常に適切な対応。

完全なる実力で完封した。

【長所が組み合わされば】
攻守の組織熟成という意味では、正直なところ、大宮と鹿島にさほどの差はなかっただろう。

戦術的な質において「かつての強い鹿島」を基準にしている方には、凡庸な試合と言われても仕方のないゲーム内容。

たしかに前半の印象は「引き分けもやむなし」。

そこからハーフタイムで修正が施され、結果的に選手個人の長所で鹿島が上回ったのだと思う。

ジョルジーニョ監督は若い選手を使い続け、モノにしつつある。

アシストは大迫の高技術ポストプレイから。密集地帯で身体のバランス崩さず、シュートも打てる角度をつけて味方にパスを送り込んた。

そして上述した西のファインゴール。いくら西に攻撃技術があっても、サイドバックがゴールを決めるのは困難なこと。使い続けているからこそ、使われ続けているからこそ連携が磨かれ、シュートチャンスも増えてくる。

柴崎や山村も攻守にセンスを発揮し、勝利に貢献。若い選手たちが力をつけてきている。

【リーグ戦復帰の中田浩二】
コンディションの上がりきらない中田浩二を復帰させるのは、若干の時期尚早感があった。監督も慎重に慎重を期してきたものの、岩政の出場停止もありスタメン出場。

その戦術眼と統率力、安定した足下の技術は健在。山村とのコンビはマイボール時間を増やすことになった(※前半、ほとんどボールがラインの外に出なかった)。

CBがこの二人だと外に蹴り出さず味方に繋げられる。そして、中田は動きで山村を前に押し出すこともできる。ラインは浅めに保たれ、その中田の工夫は彼が退いた後も、山村の中にイメージとして残された。

名選手と組むことによって、若く才能ある選手は得るものがある。そこが分かりやすく表れた試合。

とはいえ、多少無理して使ったのも事実。

中田自身のフィジカルコンディションは完全から程遠く、フットワークに鋭さがなく、そして72分という早い時間帯で足をつってしまう。

青木剛という守りのオールラウンダーがベンチにいたおかげで事なきを得たものの、しかし、CBが体力持たずに交代してしまうのは交代戦術上厳しい。

この試合をきっかけに、一気のコンディション上昇を期待したい。

【ジョルジーニョ監督の特殊能力】
世代交代を託されたジョルジーニョ監督は、その重責を先導するに相応しい人物ぶりを披露している。

五輪代表から落選した大迫を庇う言葉をメディアの前で発信し、昨日もまた、プロ入り後決して高評価を得ていない山村を「今日のMVP」と褒め讃えるメッセージを発している。

決勝ゴールを決めた西には「(70年W杯の)ブラジル代表キャプテンのカルロス アウベルト トーレスが決めたゴールを思い出させるようなシーンだった」と最大級の賛辞を贈る(※鹿島アントラーズ公式サイト)。

この監督にならば、若い選手たちは守られ、自信をつけていくことも可能だろう。

まだまだ、このチームのポテンシャルは(監督含めて)あるはずだ。

一つ一つ勝っていく過程で、その成長速度が早まることになる。

もっといい試合、もっといいドラマを後半戦には見せてもらえる…と信じたい。

【世界のニシムラ】
大宮戦の割り当ては西村雄一主審。

南アフリカW杯でブラジル代表が敗退したオランダ戦を担当し、フェリペ・メロを退場(※判定自体は妥当)させたのは西村主審。当時ブラジル代表のベンチにはジョルジーニョ監督(当時コーチ)もいて、監督はちょっとした因縁を感じていたかもしれない。

西村さんはW杯レベルのレフェリーであるものの、先の国際試合でミスもあったし、その調子に懸念もあった。

…が、そんなの杞憂。昨夜に関しては「世界トップ級の西村雄一」。

ほとんどのシーンを非常によく見ていて、基準がブレない。アドバンテージの見極めもスムーズ。一度だけあった警告も東へのカードの出し方は素早く威厳があった。昔ほどルール運用に神経質でなくなった。副審の力量(バックスタンド側副審はちと落ちる感じだったが…)も十分で、審判団チーム内のコミュニケーションも秀逸。

そして、何よりも西村主審の「格」。選手たちが尊敬してジャッジを受け入れるため、プレイが止まらない。

私個人的にはサポーターがジャッジをどう捉えるかは重要視していない(※ジャッジをサポーター同士で議論すること自体は一つの楽しみであり、審判文化熟成に繋がるのでいいことだと思う)。本質的には選手たちがストレスなくプレイできていれば十分だ。

試合の流れがいつもよりスムーズな気がしたのは、審判団の高パフォーマンスも一因だったろう。
南米王者を決めるリベルタドーレス杯でコリンチャンス(ブラジル)が初優勝。

そのコリンチャンスのキャプテンは鹿島アントラーズの、ちょうど三連覇期に在籍したダニーロ。

ボカとの決勝戦でもアシストを決める。寝ていた牛が突如ヤル気を出したかのような驚きのヒールアシストでダニーロ・ワールド健在を見せつけてくれた。

ダニーロという男。

顔はほとんどミスター・ビーン。

身の丈186cmに達し、体重80kgを超える、モッサリノッソリ系の大男。

ノッポさんのように無口、穏やかな性格。

ダニーロの周囲だけ時間がゆっくり動いているかのようで、「スピード」「慌てる」「急ぐ」とは日常生活でもピッチ上でも無縁。

だが、そのインステップのキックフォームはフォロースルーに至るまで美しく、速く強烈だ。

巨大ぬいぐるみのような体躯を生かしてのキープ力は味方に時間を与えてくれる。

セカセカしたJリーグでは、そのスピードに対応しきれない面があった。来日一年目は「お荷物」「ダメーロ」と揶揄されることもあったほど。そもそも、ダニーロはブラジルでも遅いと評判なのだ。

それでも、二年目以降は適応が進み、起用法も定着。

相手チームのスピードが落ちてきた後半。ベンチでの昼寝からノソノソと起き出して、鹿島の「ダメ押し要員」or「クローザー」として登場。試合を勝利で終わらせるのに欠かせない働きをしてくれた。

ダニーロとの思い出は、三連覇の甘美な記憶と共に懐かしく残っている。

昨日、リベルタ杯を制したコリンチャンス。彼らが年末に日本で行われるCWC(クラブワールドカップ)にやってくる。

ダニーロの日本凱旋だ。

彼のようなノッソリ系アーティストをもレギュラーとして戦力化してしまうブラジルサッカーの懐の深さに感嘆を覚える。

現在、世界のサッカーで一番の注目を集めるは「欧州」であり「スペイン」であり「バルサ」。

サッカー王国ブラジルは依然として天才たちを輩出するものの、戦術面含めると遅れを取りつつあるとされる。大してあてになるものではないが、FIFA世界ランキングにおいてブラジルは11位に後退中。

しかし、物事には流行り廃りがある。

国全体に根付いたサッカー文化に加えて、経済力を得たブラジルは、いずれ復活するのではないか。

スペインやバルサの「ほぼパーフェクトなパスサッカー」にも少し飽きた。

ダニーロのような「上手いのは分かるけど、こんなノロマで大丈夫なの?」な選手を活躍させてしまうブラジルのサッカー。CWCという大舞台でコリンチャンスが欧州代表に勝るところを見せてくれたら痛快だ。

ダニーロやファビオ・サントス(※彼も短期だが鹿島に在籍した)の凱旋を楽しみに、あわよくば我らが鹿島アントラーズもCWCの場に立ちたいものだ。
続きはブロマガを購入して楽しもう!
このコンテンツはブロマガ(有料)です。
購入すると続きをお楽しみいただけます。
ブロマガって何?
あまりいいことない感がある鹿島アントラーズであるが、クラブは頑張ってグッドニュースを流してくれている。

【映像サービス】
クラブ公式サイトでハイライト動画を展開』(公式サイト)。

スカパー契約している私としては「このハイライト画面、ちょっと小さくてショボイかも?」とは正直感じるものの、無料なだけ有難いか。

ここから、ほんの少し改良を加えてくれれば、スカパー契約者も「ゴールシーンor失点シーン」だけ確認したくなった時に利用すると思う。

このままであっても、スカパーやスカパーオンデマンドと契約していない人は重宝するだろう。

ファンサービス&ファン開拓のために、やれることをやってくれるのは喜ばしいものだ。

【チーム強化】
ロドリゴ・フィジオセラピストが就任』(公式サイト)

アレックスPTの退団で空いた枠へ、早速人員補充。この補充の早さ、素晴らしい。

ロドリゴPTの紹介を読むと、CSKAモスクワ(ロシア)やオリンピアコス(ギリシャ)といった名門クラブでの経歴が光る。

彼の能力は分からないけれど、チームドクターやフィジカルコーチ、トレーナーらと連携して、チーム全体の怪我人防止とフィジカルコンディションアップ貢献してもらえればと思う。

例えば中田浩二や本山雅志、本田拓也、ジュニーニョといった選手たちの稼働率とコンディションが上がれば、それに伴ってチーム力も上がるはずだ。

【ホームタウン活動】
鹿島アントラーズ選手ホームタウン小学校訪問実施について』(公式サイト)

震災やインフルエンザ流行などもあり、しばらく止まっていた小学校訪問が4年ぶりの活動再開。

これは、ちょっとホッとするニュース。震災以降、地元でもアントラーズへの熱気低下が感じられていたところで、再開が待ち遠しかった。

今年はアントラーズの成績が良くない、ACLがない、代表選手も少ないことで、結果的に試合数もメディア取材も減少している。おかげで主力選手たちも比較的スケジュールに余裕がある。

ピンチをチャンスに。こういう時こそ、地道な地元回り。

ホームタウンに愛される鹿島アントラーズで在り続けて欲しい。

「ホームタウンに愛されるクラブ」ということは、安定した観客動員に繋がり、遠方のサポーターにとっても誇りになり、スポンサーにも好印象となるはずだ。
私は物事を最悪のパターンから想像する方で、トゥーロン国際直後には山村と大迫二人そろって選出外になる覚悟もあった。

やっぱり、大迫はここぞの場面でシュート外し過ぎるし、山村はここぞの球際で力強さに欠けるし。

国際舞台で求められるのは、ここぞの底力。

鹿島アントラーズのリーグ戦低迷は二人だけのせいではないけれど(よくやっているところはある)、二人にあと一歩の決定力や粘り強さがあれば、今以上に勝ち点が伸びていたと思う。

上記はタラレバの話で、言いたいことは「この二人、少し物足りないな」ということ。私は鹿島サポーターだから悪く言いたくないものの「期待値に及んでいない」というところでは、皆、心中一致するはず。

それでも、最近では各メディア「大迫は当確」の雰囲気で報道するものだから、彼は選ばれるだろうと。多少物足りないとしても、他の23歳以下メンバーだって同じようなものだからね。

発表当日に「漏れるとしたら山村だけかな?」と高をくくっていたところに、大迫が漏れたのを知ってビックリ。

イカンね、メディア報道や雰囲気を真に受けては。

「当確」とか書いていたメディアは反省していただいて、今後は軽々しく書かないで欲しいものだ。期待した分、ガッカリが増幅。次は疑ってかかることにする。

客観的には「18人という枠の狭さ」があり、そして大迫自身が「10人の監督がいたら10人に認めてもらえるような絶対的選手でない」以上、外れるのは致し方ない。この枠が23人だったら、きっと入っていた。

とにかく18人は狭い。選ぶ方も大変。

代表監督は必ず恨みを買う職業。

関塚監督も、大迫ら外された選手たちと、その家族、関係者、ファンから恨みを買うことになってしまった。

もし、監督が超名将であれば「ああ、あの名監督が選んだなら仕方ないな」と諦めやすい。だから、例えば鹿島は困難な世代交代先導をクラブレジェンドたるジョルジーニョに任せた。

五輪代表監督としての関塚さんは、これまで積み重ねてきた試合から迷将的評価を受けつつある。「凡将がおかしなメンバー選考しやがって!」とばかりに恨みを買いやすい。

しかも、香川(マンチェスターU)も選出されておらず、比較的無名な杉本が入り(※私個人的には彼が高校生の頃から注目していたので、選出に驚きはないけれど)、見た感じ「23歳以下の最強チーム」から程遠い。納得してもらいにくい選考になっている。

五輪代表監督には限界がある。

各所属クラブと強化委員会との綱引きがあり、A代表との兼ね合いもあり、チーム構成のバランスもあり、呼びたいように呼べない中から、恨みを買うこと、若い選手を傷つけてしまうことも覚悟しながら、四苦八苦して18人を選ぶ。

メンバー決定したら非難を浴びることまで含めて監督の仕事。

この五輪に懸けてきた大迫が、そこから漏れてしまったことは残念であり、外れ方も酷なもの。

ここで他人を恨み、我が身の不幸を嘆くだけで終わるのが一般人。

バネにして力を上げるのが一流。

しっかり「鹿島アントラーズの大迫勇也」を応援してやりたい。

10人中10人の監督がメンバーに選ぶような、絶対的ストライカーになればいい。
ロンドン五輪代表メンバー18人が発表された。

鹿島アントラーズからは山村和也が選出。

まずは、山村選手、おめでとう。

応援するクラブからオリンピックに選手を出せるというのは、何だかんだで喜ばしい。

五輪の男子サッカーは大掛かりなテレビ中継をして、大いに盛り上げてくれる。そこに鹿島の選手が(ベンチの可能性は高いけれど)参加していることで、より興味が湧いてくる。

また、入団前からU-23日本代表選手だった山村を間違いなく五輪代表に送り込むことは、クラブの若手育成アピール上プラス。

実際に山村のセンターバックとしてのプレイは、鹿島で試合を重ねる毎に「半歩進んで、その半分戻る。そして、また半歩進む」の繰り返しで、亀ペースながら良くなっている。

判断の速度と正確さに不足が目立つとはいえ、アントラーズでの試合経験が糧になっているのは間違いない。

ジョルジーニョ監督も我慢して使ってきた面はあるだろうし、我々サポーターも我慢してきた面があるけれど、今回の五輪代表選出によって見守ってきた甲斐が一つあったと言える。

もちろん、本人の頑張りが一番で、その努力を讃えたい。

これからも本大会まで怪我することなく、引き続き研鑽を積んでもらえればと願う。

一方で大迫勇也の落選は残念。

彼はロンドン五輪に懸けてきたところがあるし、それだけに本人の落胆も並大抵でないはず。

そっとしておきたい気持ちから、今日のところは落選を伝えるのみの記事に留めておく。
新潟でのアルビレックス戦は1-1ドロー。

勝ち点0に比べれば最悪ではないが、しかし、下位対決をドロー決着するようだと、いよいよ上位進出は難しくなる。

懸念されていたジャッジは両チームに公平。

そして、だからといって勝てるチームではない。

前後左右に間延びが目立つ。

一般的に間延びは嫌がられるが、今の鹿島の場合、そのおかげでフィニッシュまで攻撃できることもある。

広いスペースを与えられた方が(※鹿島が広がっていると、それに対する相手守備も広がるので)ドゥトラを始めとするドリブラーが突破しやすい。

だが、間延びは間延び。

「攻めは広く、守りは狭く」がセオリーであるのに、守りに切り替わってもサッと選手間の距離が収縮しない。収縮が遅い。

元々、個々人の守備力と運動量が高くないので、一人で広いスペースを守ることが増えれば、やがては破綻することになる。

このあたりは「選手能力&個人戦術」と「選手同士のコミュニケーション」が肝。そして、それらを組み合わせ改良して連動を促す「監督力」も肝だ。

試合の場で不足が表面化し続けているのが苦しいところ。数ヶ月経っても、なかなか改善しない。

「誤審」や「ルール上正しくても不利な判定」が多かったため目を逸らされがちだったが、アントラーズそのものが強くない。

二列目、ボランチ、CBあたりの個としての守備遂行能力は、J1他クラブの平均値と比べても弱いように見えるし、監督による守備徹底も、J1の日本人監督平均値と比べて詰めが甘いように見えてしまう。

やはり、現時点でのジョルジーニョ監督の「勝てる組織力を浸透させる能力」が前任者オリヴェイラ監督を下回るのだろう。選手たちへの細かい気配りや若手抜擢の決断力は素晴らしいのだが…。

やはり、現時点でのFW陣の「決定力」は黄金期マルキーニョスを下回るのだろう。興梠のスピード、大迫のキープ力は日本人FW屈指なのだが…。

やはり、現時点での二列目陣の「守備力」「ゲームメイク能力」は黄金期の本山を下回るのだろう。ドゥトラや遠藤のドリブル能力は決め手になるものだが…。

やはり、現時点でのボランチ陣の「運動量」「ボール奪取力」は黄金期の小笠原を下回るのだろう。柴崎のボールセンスと視野の広さは並大抵ではないが…。

やはり、現時点でのCB陣の「粘り」「無理の効く範囲」は黄金期の大岩を下回るのだろう。皆、体格とパワーに優れるが、知性とリーダーシップ、そしてコンディショニングまで兼ね備えたCBはなかなかいない。

鹿島アントラーズが日本サッカー史に誇る79年組もGK曽ヶ端以外は厳しくなってきた。

中田は本来、ボランチでもCBでも一つ格上の選手であるが、彼ですら年齢的なものなのかコンディショニングが難しくなってきた。細かい怪我の多い本山も然り。

出ずっぱりの小笠原は、局面でのパスは依然として名人芸。一方、守備面では加齢影響を否めない。

選手層も決して厚くない。

怪我や調整中の選手が全員戻れば十分であろうが、ただ、今出ていない選手の多くは「怪我しやすい選手」なのだ。怪我しにくさも選手能力の一つであり、これまで選手たちの試合復帰を早めてきたアレックスPTはもういない。

大型補強しようにも、資金集めスポンサー集めの基礎となる数字「観客動員数」が減っている。

ある程度は予想されていたとはいえ、あらゆる面で厳しい時期。試合になれば、いちいち勝つのが難しい。

強くないチームが、強くないことを前提に戦い、どのように勝って、どのように成長していくか。また強くなれるか。

若い選手や三連覇以降のサポーターが直面したことのない苦境の改善に、今、皆で取り組んでいる。

監督含め、若く経験の浅い人たちが多いので、伸びしろはある。皆の成長に期待したい。

あとは、強化部長だね。

2009年度オフに移籍制度が変わってから(※選手が移籍しやすくなってから)、かつて最強GMと称賛された鈴木満強化部長も戦力構成に四苦八苦している。

高額移籍金を得たとはいえ2010年に内田篤人とイ・ジョンスを引き抜かれた。

手塩にかけて育てた野沢拓也はお手頃な価格で移籍し、高額で獲得した伊野波雅彦はお安く移籍してしまった。

昔から苦手としていた外国人選定を相次いで失敗。カルロンの件では決定的な失敗。ブラジル好景気による人件費高騰により、ますます補強成功率が下がっている。

高額移籍金を得ても、代わりに獲った選手が活躍しないのでは、結果的に戦力ダウンになる。

鹿島アントラーズの本当の顔とされてきた満さんも試練に直面している。

時代の流れ(※移籍金制度変更&有望選手海外志向加速&ブラジル好景気&ブラジルサッカー相対的後退)により、彼のやり方が通用しにくくなってしまったのか。

それとも、かつてもそうだったように飛躍のための雌伏の時期なのか。

正直、最近は前者なのかもと思いつつあるが、しかし、頑張って後者であると信じて、応援していきたい。